孤独の檻から抜け出したいよ。


そんな思いを持ちながら、自分から出ようとする勇気もなく、
時は移り変わる。

そんな僕が待っていたのは、この檻の扉を勝手に出入りしてくるような、
そんな人なのかもしれない。

悲劇の主人公ぶってる。
絵空事ばかり言っている。

そんな少年は、時とともにだんだん孤独になっていった。
一人で死ぬことも怖くなった少年・・・臆病者は、自らに不老不死という呪いをかける。

それが間違ったことだったとしても、少年にはもう勇気なんてとうの昔に忘れてしまったのだ。


そんな少年は、孤独の檻の中で果てしない時を過ごした。

本心は全て仮面の下へ。
人とのつながりは心の壁越しに。

時代が移り変わっても、少年は変わらない。
時に見放され、世界の法則すらも少年を遠ざけた。

少年は少年のまま成長しなかった。
扉は閉まったまま開かなかった。

誰も少年の心の声は聞こえなかった。
いや、少年が心の声を自分の奥底へと沈めてしまった。

勇気はもう枯れ果ててしまい。
妙なプライドだけ生まれ。

歳月が力を生み出し。
古びた城に住み着き。

だんだん少年は、少年であった者は、
人々に魔人と呼ばれるようになってしまった。




魔人はもう誰が来ることも望まなかった。
誰か来てしまえば、自分が自分でいられないと思った。

魔人の日々は希薄で退屈な日々で、
太陽が昇ろうと沈もうと、雨が降ろうと降らなかろうと関係のないことだったのだから、
一切外に出ることもなかった。

魔人にはいつも同じ風景、
自分の城の中で過ごしていた。

せめてもの楽しみと言えば、魔人がまだ人であった頃に好きだった音楽くらいだ。
魔人は自分で曲を作り、楽器でその曲を奏でた。

魔人の作る曲は、

心を真っ白に洗うような綺麗な曲、
燃える炎のような激しい曲、
優しい陽射しのような暖かな曲、
全てに裏切られた絶望のような真っ黒な曲

など、色とりどりの音色を持っていた。

しかし魔人は歌は作らなかったのだ。

生憎魔人には歌が歌えない。
例え誰かに歌ってもらう、なんてことができるはずがない。
だから歌を作っても孤独な魔人には意味をなさないのだ。

魔人はもともと歌を好んでいた。
いつしか歌を作って誰かに歌ってもらいたい、そう思っていた。

孤独な魔人には到底叶わぬ願いだと知りつつも。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ありふれた臆病者と永遠の孤独と・・・

不老不死ものが好きです。

スペクタクルPのThe beast.をリスペクトしてます。

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閲覧数:210

投稿日:2012/02/02 00:19:09

文字数:993文字

カテゴリ:小説

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