どこまでも、黒くて白い世界にいた。ここは何処か、なんて知りはしない。だけど、何かは知っている。夢、だ。そう、寝ている時に見る、夢。そこには、気持ち悪いくらいに、僕の好きなモノしかなかった。甘いお菓子に楽しい仲間、終わりの来ない時間にどこまでも続く物語。そんなモノしかない世界。とても楽しくて、いつまでも遊んでいても怒る人はいないし、帰らないと行けない場所もない。でも、帰ると出迎えてくれる人が居る。そんな、どこまでも甘い、造られた果物の様な世界。
その世界は、夢。
「ふぁあ…。」
起きる。起きたくない。だけど、授業はうけないと。いつまでも、夢の中には居られない。…つまらない。夢の中で遊んでいる方がいい。でも、このつまらない授業が現実ってヤツなんだろう。諦めてやり過ごしてやるさ―――。
―キーンコーンカーンコーン
授業が終わった。伸びをする。次は…昼ご飯だ。一人で食べるのもいやだから、友人達の所へ行く。
「…が~でさ、〇〇とか思ったんだけど。」
「あ~、わかる。そーいうのってウザいよな。」
適当に話を合わし、楽しそうなフリをする。本当に嫌になる。夢の中だったら、自らを飾る事も、人間関係も、そんな煩しいモノ、無いのに。煩しいモノは、絶つのが一番だ。分かっていても、そうそうできる事じゃない。そうしないと、この学校という檻の中で生き残る事は出来ない。
「あ、俺、ちょっと用事あるんだ。」
さりげない風を装い、机の輪から抜け出した。僕には、用事なんて無い。嘘も方便というヤツだ。
ボイラー室。誰も居なくて、誰も来る心配の無い所。そこで僕は、夢を見る。
「あ、帰って来たよ。私達のご主人様が。」
双子が出迎えてくれる。あぁ、なんて素敵な世界。
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