僕の名はナノカ、
それは神様がくれた名前です。

僕を造った神様は、
僕に7日の生命を与えました。

7日後に僕は消えてしまう。

僕は何の為に生きればいいのでしょう?

そんな僕に
神様は言います。

『対話しなさい』

僕は色んな人に声をかけました。
でも、殆どの人は僕を無視して去ってゆきます。

とても哀しかった。

「神様」

「僕を消してください」

そう思ったけど、言えませんでした。

次の日も、その次の日も……
僕は声をかけ続けました。

無理して笑いながら、僕は思います。

(ねぇ、神様……?)

(誰も僕を見てくれないよ……)

4日目の朝、小さな女の子が
僕に華をくれました。

「あげる。笑って?」

僕は泣いていたのでした。

嬉しいコトがあったのに、哀しい顔でいました。

女の子は僕に色んな話をしてくれました。
その女の子はずっと笑顔でした。

でも、僕の耳はそれを全部受け止めきれませんでした。
なぜ、こんな僕に必死になるのかがわからなかったのです。

(僕は、誰にも愛されないんだよ……)

気づくと、僕は、
タオルもかけずに、床に横たわっていて、

(なんだ、夢か)
そんな風に笑いました。

5日目の朝、僕を尋ねたのは美しい女性でした。

声を掛けてくれるの?
そんな希望は、すぐに打ち砕かれました。

僕はその女性に頬を叩かれ、

「あんたの所為で!」

それを、ココロが受け止めきれず、
僕は泣きました。

周りの人になだめられながら、
その女性は帰ってゆきました。

5日目の夜、僕は神様に問いました。

「僕はなぜ愛されないのですか?」

神様は否と首を振りました。

『ナノカ、お前はひとりで生きてるんじゃない』
『あの子は死んだのだ……』

僕は走りました。
色んな人に道を尋ね、お礼を言いながら。

そして僕は、その子の墓標の前に、あの女性を見つけました。

女性は僕を見ると、哀しげに笑いました。

「ごめんなさい」

「八つ当たりだったわね」

そして、生まれて初めて、温もりを感じました。

その女性が抱きしめてくれたのです。

僕は嬉しくて笑いました。泣き笑いです。

それは、6日目の夕方でした。

女性がそこから帰ると、僕は空を見上げました。

そして、ココロの中でこう思いました。

(あの時はごめんね)

(君の優しさをわからずに、ごめんね……)

僕は思い出していました。
色んな人に助けられて、ここまで来れたコト、
人に許されるというコト、
亡くした者を想うと言うコト、

生まれてきてよかった。

そう思えたコト……


7日目の朝を迎えるまで、
僕は出来る限り沢山のコトを思いました。

それが生きるコトだと思ったから。

だから、僕は、
今まで声を掛けた全ての人にお礼を言ってまわりました。

答えがかえっても、かえらなくても、
僕にはよかった。

なにより大事なのは、
僕が相手を想うコトだから。

ありがとうって。





もうすぐ時が来る。

僕は駆け出しました。



消えたくない!
なくしたくない!

この想いを!!




僕は迷子の女の子を見つけると、華を差し出しました。

その子は笑って、「ありがとう」と言いました。

その時、思い出したのです。

「あげる。笑って?」

あの時のあの子の想いが、僕の胸を揺らしました。

だからかな?

僕は笑って、天に召されました。



今僕は、天で、
愛する彼女と一緒に幸せに暮らしています。

泣かないで。

笑って……

end

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい
  • オリジナルライセンス

7日戦う!(短編小説)(コラボ用)

生きてゆくコトをテーマに書いてみました!
感想、宜しくお願い致しますm(_ _)m

閲覧数:68

投稿日:2015/12/13 17:22:26

文字数:1,489文字

カテゴリ:小説

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