ミク視点 
「・・・・・・・・・!」
目が覚めた。
また、あの夢だ。
一人ぼっちの夢。
思い出せない誰かと一緒に居た、大切な時間。
何があったとか、詳しい事は思い出せない。
ただ、誰かと一緒に居て、その後、
その人が居なくなって、一人になってしまう、寂しい夢。
「ミク姉!早くしないと、ボイストレーニング始まっちゃうよ!」
妹分のリンの声で、私は我に帰り、
「あ、待って!今行く!」
ボイストレーニングルームに行く事にした。

「あ、ミクちゃん。ミクちゃんの今度の曲は、亜種と一緒にしてもらうけど、いい?」
ボイストレーニングルームに行くと、実衣さんが居て、そう言った。
「はい」
誰とかな・・・。
「あ、ミクさん。こんにちわ」
其処に居たのは、光音キョウちゃん。
「こんにちわ、って、キョウちゃん。今は朝だよ」
「え、あ、えっと・・・・おはようございます!」
少し寝ぼけているのだろうか?私は、少し眠そうなキョウちゃんに聞いた。
「昨日、眠れなかったの?」
「・・・・はい」
「何か、あったの?」
「・・・・・ララちゃんが、倒れたんです。今は、ランラ君が表に出てるんですが・・・。なんか、昨日、一瞬だけ、ララちゃんの感覚が無くなった。と言ってました」
昨日・・・・。
私も、昨日は出撃していた。
あの時は、分からない出来事が起こっていた。
今はマイちゃんは休養中。
昨日ので疲れがきたらしい。
「マイちゃんと話をしようと、マイちゃんの部屋に行ったら、寝ちゃってて」
でも、キョウちゃんでさえもこれなら、彼はどうなんだろう。
ボイストレーニングルームに居ると思われる彼を探す。
居た。
なんだか、見るだけで体に影響が出ている事も分かる。
「・・・・キョウちゃん」
「なんですか?」
「彼・・・ルル君に、休んできてって言って」
「は、はい」
「はあ、シスコンも程々に・・・」
彼は、少し自分の事を考えなさすぎだ。
いつも、自分の事ではなく、ララちゃんの事ばかり。
ララちゃんは、ルル君が其処に居る事を望んでいる。
だから、ルル君も、あまり自分を犠牲にするような行為はやめたほうがいいと思う。
望んで生まれた存在。
「うっ・・・・!」
頭が痛い。
何で?望んで生まれた。
自分が創った存在。
【ミク・・・】
青年の声が聞こえる。
私の声をそのまま低くした様な、そんな声。
【ミク・・・。僕に、気付いてる?】
誰?貴方は・・誰?
【ミク・・・君は、僕を必要としてくれてる?】
必要?
知らない。私は貴方の事を知らない。
そうだ、私は彼の事を何も知らない。
だって、何も分からないから。
【そうか、君は、僕の事を、覚えてないんだね】
私、前に貴方とあったことあるの?
【僕は】

「緊急出撃をお願いします!悪UTAUが出現!緊急出撃をお願いします!」
「私は・・・・」
悪UTAU。彼等が来た。
「行かなくちゃ」
さっきのは、なんだったんだろう。
あの夢と、何か関係があるのだろうか。
何か関係があるなら、教えて欲しい。
貴方は・・・。君は、誰なの?
「ミクさん!大丈夫ですか?」
「・・・うん、大丈夫」

【僕の事を、思い出して】

うん、頑張って思い出す。でも、今は戦わなくちゃいけない。
だから、少し待って。

ユア視点
「・・・・!これは、一体どういうことなんですか!お姉様!」
いきなり起こった現象。
彼のメインコンピュータが動いている。
「分からない。でも、彼が再起動している」
「彼が・・・もしかして、ミクに・・・」
「ええ、ミクとコンタクトを取っているかも知れない」
「ミクは、貴方に関しての記憶を全て無くしている」
だから、貴方も、ミクも、傷つくかもしれない・・。

ミク視点
「ボカロボットミク機、出撃します!」
・・・・今日は、誰が来るのだろうか。
「今日は、雑魚だけだな。おっし、行くぞ!ノイズ!」
「・・・分かった」
「ボイス、あまりでしゃばったりしすぎんなよ?前に何回もやってるじゃねえか」
「あまり、無理しないほうが良いの~」
雑魚。
オリジナルUTAUは居ない。という事。
なら、楽に戦える。

「お疲れ様~、ミクさん、ユアさんから伝言です~」
「アノさん、何ですか?」
「きちんと休養を取って下さい。との事です~。今から、ちょっと~あるらしいです~」
何か・・・。
「はい、では、お言葉に甘えて」
部屋に戻った。
でも、寝はしなかった。
なんだか、あの夢を見そうで、怖かった。
また、眠ってしまうとあの夢を見る。
それが、怖かったのに。
「ミク」
誰かに声をかけられた。
「・・・・!貴方は・・・」
其処に居た人物は、夢に出てきた人物。
今、思い出した。
彼は・・・。
彼には、もう会うことも出来ないと思っていた。
でも、彼は此処に居る。
「クオ君・・・!」
何で、今更、今更・・・。
でも、私は彼にのもとへ行っていた。

「彼は、完全に起動して、ミクさんのもとへ」
「そう・・・まんまとやられたわ」
「まさか・・・彼が、目覚めるなんて」
「これが、新たな事件を起こさなければいいのだけど」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

歌姫戦士ボカロボット第15話

クオ君登場☆
ここからはちょこっとミクさんメインでいきますので、亜種の出番少し減っちゃうかもしれないです。
次回予告↓
クオ「僕は、彼女に会いたかった。ずっと、ずっと。この日を待っていた。でも、僕を狙う悪UTAUが来た。僕は、ミクと一緒に居るんだ。彼女が、もう、一人にならないように。僕が傍に居なくちゃいけないんだ。次回「消失した記憶」もう、君の傍から居なくならないよ。」

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投稿日:2011/08/07 11:12:58

文字数:2,108文字

カテゴリ:小説

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