初めてあった日 桜の中で
君は 生徒の中の一人に過ぎなかった
「こんにちは」と言われたら
「こんにちは」と返すだけ
キミとボクは 所詮こんなものだった
黒板に記す 方程式を
君は 難しい顔で睨めっこ
思わず 見つめていた
不意に 目が合って逸した
変に思ったよね?
いつの間にか 目で追う
君の楽しそうな笑い声
目を閉じて 耳を済ませば
君を感じる 教室
夜になれば 一人
殺風景な部屋で
テストの答案の丸付け 肩がこる
何杯目かのコーヒーを飲んだ時
手が止まった
僕のささやかな権力の行使
答案丸付けをミスする
君が困ったように 訂正に来る
それだけで 胸が高なった
キミが男子生徒と話してる
それを見てると感じてしまう
超えられない一線
どうしたの? 成績落ちたね
君はイキナリ 成績が急降下
「どうしたの?」って行ったなら
「どうもない」と逃げられた
なんだか僕は嫌われちゃったかな?
君のココロの 方程式を
僕は いつまでも模索中
迷わず 素直に慣れたなら
想い 止められはしないだろう
飛び越える一線
放課後に君と 個人授業
あの日と同じ難しい顔
良くできたね、と 笑えば
君が笑う 教室
昼の休みに 一人
コピー機に囲まれ
課題のプリント作成 目が霞む
何度目かの肩をもんだ時
不意に思いついた
僕のささやかな権力の行使
放送で君を読んでみる
君が「なんですか?」 不安気に来る
「これを ちょっとお願いね」
僕のささやかな権力の行使
個人授業に わざとらしい採点ミス
呼び出しで仕事を任せたり
君は迷惑かもしれないね
ちょっと不自然かもしれないね
それでも これが 僕の権力
ささやかで弱い権力
それを行使し続ける限り
越えられない一線
吸えないタバコなんて吸ってさ
落ち着かないココロを無理に締め付ける
「愛してる」と言えたなら
君はきっと困るよね
キミは僕を そんな目で見ちゃいない
マフラー巻いて 職員室(ヘヤ)を出た
吐息が 白に凍る冬
ビックリ 階段の下で
キミが 鼻を真っ赤にしている
どうしたの 突然!?
真冬の廊下で 二者面談
心臓の音が聞こえそうだよ
うつむく キミに戸惑った
ふたりだけの 学校
寒い廊下に 二人
静まり帰った 夜の校舎で
イキナリ君が抱きついた 胸が鳴る
何度目かの瞬きの後に
「大好き」と聞こえた
僕のささやかな権力の行使
抱きついた君はなぜか
泣きそうな顔で 僕を見る
愛しくて KISSをした
僕のささやかな権力の行使
繰り返した 職権乱用
キミが好きだと 言ってくれるなら
それだけで 救われる気がした
僕のささやかな権力の行使
僕の全てをキミに捧げよう
方程式なんて 意味が無い
二人で 飛び越える一線
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