だんだんと冬の気配が見え隠れし始めてくる、秋と冬の狭間のある日。
「なんか最近寒いよな・・・」
「そうだな、風邪引いちゃだめだぞ? アカイト」
「人の前で、いちゃいちゃするなよね!」
「そうですよ! ナエルさんの言う通りです、全く」
アカイトとバンが話していると、ナエルとモコがすかさずやってきて文句を言う。
(何で、俺たちが言われなきゃいけないんだよ)
心の中でぶつぶつと文句を言い返すアカイト。一方のバンは、
「そうだな」
と、あっさり頷いてしまう。
「な、バン、何頷いてんだよ!」
「私たちには気づかなくとも、他の人たちには、そうやって見えるんだろう。それなら、仕方ないと思わないか?」
「それは、そうだけど・・・」
バンのもっともな言い分に、アカイトは納得していない表情を浮かべる。
「そういえば、ウサさんとリアさんとラクさん、見かけませんね?」
ジミがぽつんと呟いた、その時。

「お、ここがあの研究所かー・・・。にしては、普通の家っぽいな!」
茶髪で白を基調とした服を着た女の子が、入り口のドアから入ってきて言い、
「りんごさん? 失礼なことは言ってはだめですよ。・・・でも、やっぱり普通のごく一般的な室内ですねー」
続いて入ってきた、髪が真っ白で、先ほどの女の子とは反対に黒を基調とした服を着ている。そして、次に入ってきたのは、
「こんちはアルー! 今日は鈴々特製の肉まんをたくさん持ってきたアルよー!!」
いかにも中国っぽい服装と言葉遣いの女の子が、両手ににくまんを載せた皿を上手に積み重ねて持ってきた。そのお皿が落ちないところを見ると、その女の子の運動神経が抜群にいいことが分かる。最後に入ってきたのは、
「うーうー! りんりんとくせいのにくまんは、おいしいもんねー! うーうー!!」
「久々に3人に会ったけど、全然変わってないな」
「そうね、ラク。相変わらず、おもしろくて騒がしいわ」
「こんにちは、ウサさんとリアさんとラクさん。今ちょうど3人どうしているか気になったところだったんです」
「ねぇ、にくまんって何?」
「肉まん知らないアルか? だったら、食べた方が分かるアルよー!!」
日本のことがまだ分からないメイの言葉に、すばやく鈴々はメイに肉まんと渡す。
「・・・あの、ありがとうございます。・・・いただきます」
鈴々にお礼を言ってから、受け取った肉まんを一口食べてみるメイ。
「どうアル? おいしいアル?」
「あ、すっごくおいしいです。こんなにおいしいとは思わなかったです」
「そうアルか! 肉まんには他にも色々種類があるアル!」
「そうなんですか」
「もっと食べるアル!」
「そうですね・・・」
「あんまんとかおすすめアル!」
「うーん・・・」
「食べないアルか?」
「ちょーと、りんりんちゃん! 困っちゃってるよ、この子! そうやって無理に食べさせようとするの、鈴々ちゃんのわるーい癖だよ!」
内心お腹がいっぱいでどう断ろうかと考えていたメイに、助け舟としてりんごが鈴々に注意する。
「そうアルか・・・? それなら、ごめんなさいアルよ」
「いえ、今はお腹いっぱいで食べることはできませんが、また後でとかならいいですよ」
「優しいアルね! お名前は、何て言うアルか?」
「メイです」
「メイ、アルね・・・、分かったアル! 私の名前は餡音鈴々っていうアル! りんりんって呼んでいいアルよ! メイも、それから他の人たいも呼んでいいアルよ!」
にっこりと笑って言う鈴々。
「りんりんとくせいのにくまん、ちょーだい! うーうー!」
「いいアルよ! 何個いるアルか?」
「んーと、ウサの分とー、リアにゃーんの分とー、ラクにぃの分! うー!」
「3個アルね! はい、どうぞアル!」
「わーい、やたー! うーうー!!」
嬉しそうに受け取るウサ。
「あ、もう1個言うこと、あるアルよ!」
突然、鈴々は大声を上げる。
「初めての場所に来た時は必ず言うアル! ・・・語尾にアルよなーんてお約束は言わないアルよ!!」
「・・・思いっきり言っちゃってるんだけどな?」
「あ、だめだよ、お兄ちゃん。そんなこと言っちゃ」
「え? 別にいいだろ?」
「何アルか、妹いじめアルか! そんなのだめアルよ!」
「おお、りんりんさんも、そう思いますか! 妹をいじめる兄はだめですよね!」
鈴々の言葉に、肉まんを頬張りながらマニは賛同する。
「また、あの日の再来ですね」
「そうだね、ふわぁ」
「欠伸しないでよ、へんなひと」
その光景を見ていたミドリは呟き、マツキはそれに返事しながら欠伸をし、雨羽はそっぽを向いたのだった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【亜種コラボ小説】 りんりんとりんごとネムリの3人娘の到来と肉まんと寒い日にはやっぱり騒動が一番!

こんにちは、もごもご犬ですこんばんは!
今回はいよいよ亜種コラボ小説ですよ、みなさん←
なんか久々に元気をもらったような気がします><

ちなみに、今回初登場となる3人娘は、全て同じマスターさんによる協力により、出演させてもらいました!ありがとうございます!

次回は、まだ未定ですが、お楽しみに!^^

閲覧数:82

投稿日:2010/11/07 14:49:10

文字数:1,908文字

カテゴリ:小説

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  • 帝唖

    帝唖

    ご意見・ご感想

    に、肉まんが無性に食べたくなってきました!

    3人娘、出して下さってありがとございます!!(>ω<)ゞ
    鈴々の暴走面白いですw
    しかしこんな大量な人数を扱えるとは・・・もごもご犬さんの文才に感服です!
    うちの子が出てるだけで幸せです!ありがとうございます!
    もちろんブクマ頂いていきますね!

    2010/11/09 21:43:55

    • もごもご犬

      もごもご犬

      私も書いてて食べたくなってきました><
      どうも食べ物関係の話書いていると、お腹が減ってしまいます←

      いえいえ、こちらの方こそありがとうございます!
      鈴々の暴走ですかww面白いと言っていただけて嬉しいですwwww
      まだまだ色んな亜種さんともコラボしたいので・・・もっともっと、増えるでしょうねw
      一体何人まで増えるのか・・・多分亜種さんが増え続ける限り、この小説に登場する亜種もどんどん増えていくかと思います!
      幸せ、ですかwwありがとうございます!^^
      ブクマどうもです、これからもよろしくお願いします!!

      2010/11/11 20:16:57

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