スーサイド・マーメイド
瓶に閉じ込めた夏を取り出し飲み込む
跳ねる陽炎と逆上せた青い嵐が遊ぶ
浮き玉覗き込む逆さに映る世界
そこで笑う私の隣の大事な人は
水面に浮かぶ泡の様に波に消えた
声を失うまで叫んだシーサイド マーメイド
夢の中で恋に焦がれてその身溶かす
現の宵 青に飛び込むスーサイド マーメイド
溶けた影引き摺って茹だるラムネを飲み干す
番う水鳥が彼方へ向けて飛び立つ
浮き輪を覗き込む穴の向こうは夏が始まってて
薫る潮風に目をそらした
ゆらゆら揺れる世界ひとつ頬を伝う
声を失うまで叫んだシーサイド マーメイド
夕日に染まる街の中で彼を想い
現の宵 青に飛び込むスーサイド マーメイド
明け方の堤防沿いを歩く
二人並び手を繋いで海を見る
ほら見てよとっても綺麗だね
やがて背を向ける二人と消える泡沫
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