切り裂くような冷たい季節に
少し優しい風が混ざって
君の横顔はどこか遠くを見て
少しわたしは寂しくなって
「ずっと、ずっとここにいて
どこにも行かなくていいでしょう?」
そんな言葉を飲みこんだ
薄紅(うすくれない)の風に散らして
その胸を満たす鼓動が
君を遥か 連れ去って行くよ 彼方へ
引き裂くように腕の針が刻んで
すこしだけ君も 涙流して
「きっと、きっとあなたなら
どこでも幸せになれるね」
同じ言葉を繰り返し
何度もうつむいては
唇から零れそうな
切なさを隠そうとしている
人ごみに向かう君を
薄紅の風が追って
その胸を満たす想いと
同じ色の花弁をこの手に
残した
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