1
帰り道ふたりきりで
雨宿り一つの傘
滴る前髪避けて
キスを交わした
濡れた傘を
閉じて終わる
恋模様のように
雫をぽつりと垂らし
足元に線を引いた
高架橋の上で君に
さよならを告げられた
巻き戻せるなら
あの雨の日に
傘をさして
君に君へ会いに行く
そんな夢が見られるなら
強く強く抱きしめて
あなたの体温感じたい
ワイン色に染まった二人の
恋模様を染め替えて
もう一度キスを交わしたい
2
寒さに鼻を啜ると
雨の匂いを感じる
左手の赤い傘を
ささずに歩いた午後
水溜まりにうつる顔が
寂しそうで腹が立つ
もう忘れて
雨に流そう
そう言って歩いたのに…
求めてしまう
あなただけが
サビ
大切で狂おしいくらいに
もう二度と
離したくない
無理矢理でも傘に入れ
唇を奪いたいほどに
あなたがくれた赤い傘は
もう穴だらけだけれど
二人の雨が消えるって
なんて理想を、抱(いだ)いてばかり
だから
別れを切り出されたってほんとはわかってる
夢を追う二人だけどそれぞれの
形が違ったからこそ
すれ違って終わってた
ほんとは横にいて支えてたい
雨の日の素直な二人は
きっと雨が消し去って
残ったのは思い出だけ
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