歌姫戦士ボカロボット第5話

「この子の名前は・・・・・鈴音ララ」

「いい名前ね。ララ」

私は目の前に、ショーケースに眠っている少女に名前をつけました。
私はこの子の、ララの名付け親という事になります。

「じゃあ、片方の、男の子は、どうする?」

お母様の言葉を聞いて私は、お母様に訊く。

「その、片方の男の子は・・・・?」

「まだ、体を作ってないのよ。その子は、ルル、という名前にしましょうか」

「ララ、ルル・・・・」

私は改めてララを見ます。
また、亜種が出来てしまったという悲しみと、新しいVOCALOIDの誕生という喜びが混ざって、なんとも言い難い感情になっている。

「ララは、もうそろそろ目覚めるわ」

「そうですか」

ララは、どんな子だろう。
明るい子?静かな子?それとも感情が読めないような、不思議な子?
答えは、そのどれでも無かった。

「―コードネーム、【r】起動。機体状態に異常なし」

その一言で、分かってしまった。
ララに、感情が無い事に。

「感情が、無い・・・・・・」

「やはり、そうだったのね」

「お母様は、何か知っていたんですか?」

「ええ、ララは、今までの大体の亜種の生まれ方と違ったの。つまり、正規に近かった亜種なの」

「【彼等】と同じ生まれ方、という事ですか」

「そう」

その時、

「あ!ユアさん、帰ってたの!?」

「ユアさん!その子、私達にも見せて!」

其処に居たのは、霊留キリアと、ララと同じ鏡音リン亜種の戯音マイが居た。

「久しぶりです。キリアちゃん、マイちゃん。この子は鈴音ララです」

「初めまして」

ララは、感情のこもってない。虚空の声で言う。

「初めまして!でも、何か、変だね・・・・・私達にあるものが、ララちゃんには無いけど」

マイがそう言う。

「実は、ララには感情が無いのです。でも、厳密的にはあるかもしれないのですが」

「あるかも?ユアさん、それはどう言う事?」

キリアが訊く。
でも、私はララのその事を話していいか迷いました。
マイ達には話すべき、そう思うけれど。何故か話してはいけない気がします。

「それは・・・・・いつか、話します」

「そっか・・・・今は言えないんだ」

「言えないなら、仕方ないよ」

そう言って、二人は出て行いきました。
本当に、こういう事でよかったのでしょうか?

「笑い、悲しみ、怒り、楽しみ、愛等の感情については、こういう事が起こるというのは分かっております。ですが、何故、その感情というものが浮かび上がってくるのか、それが私にとっての疑問です」

ララは私にそう言った。そんなララに、私はこう返した。

「今は、分からない事だらけです。でも、それは、いつか、きっと分かりますよ」

「確信の無い言葉です」

「ええ、人は皆確信の無い言葉ばかり言いますよ」

「私にも、分かればいいです」

いきなりブザーが鳴りました。
この音は…。

「まさか・・・・!」

【そのまさかだよ、ユア、星に居ないと思ってたら。此処に居たんだね。今すぐ、ボーカロイド隊諸共、潰してあげるよ】

「・・・・・悪UTAU・・・・・!?重音・・・・テト・・・・!?」

まさか、前はあんなに遊んで仲良しだったテトが、悪UTAUになってたなんて・・・・。
これは、運命?それとも、何かの試練?
そんなの、私には分かりませんでした。


続く

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

歌姫戦士ボカロボット第5話

次回、この作品におけるUTAU達についてと、UTAU達を作った人が判明!あとこれで始めての戦闘シーン投入!長かった・・・・。
今回借りたのは、
紅蓮鴉(くれあっち)宅戯音マイちゃん(サウ君が話的に出すのが難しくて出せませんでした・・・ごめんなさいorz)
此花ヴァンニー(ヴァン)宅霊留キリアちゃん(初のヴァン亜種参加!此処からララの友達になっていくのだ・・・)
まだまだ、あまり活躍できなかったり、出せてなかったりな子も居ますし、次でやっと戦闘という内容が厨2病満載だったりというこの小説ですが、これからも宜しくです!

2013/4/2
書き直しました

閲覧数:71

投稿日:2013/04/02 19:01:39

文字数:1,429文字

カテゴリ:小説

クリップボードにコピーしました