迷々回想

べたぼう

出会った夏を
思い返すの
君への手紙を
書ければいいけど　届かない

じゃあね　君を試したくて　何の気なしの作り話
消えた表情　今では君の顔も思い出せない

まだ知らないの
言葉の意味も
閉じた心　見せる笑顔を
張り付けて目一杯の君は涙零す

もう知りたいと
言葉の意味を
燈火の夏を巡り歩けば
さよならまだ言わないで
君を感じないよ

あぁ気付いてた　演者は消えてしまってた
着飾った君は　少し俯いて
赤い唇を震わせて　似合ってるの言葉が詰まって
未完成の見栄を張った

ありふれた日常
思い出せないけど
さよならは最後に伝えたいから　目を閉じる

まだ知らないの
言葉の意味を
雨で滲んだ　君の笑顔は
ぽろりぽろり落ちては滲む声を聴いた

また夜が来て
思い出すんだ
あの夏の空　辿り歩いた
出会わなきゃ　出来なかった
目一杯の笑顔