大塩杭夢

もういっそこんなあたしを 捨て去りたいの
滲む視界 孤独さえ何でか愛おしいな
不透明な本当の感情 言えず仕舞だ
憂いごと飲み込んで 笑おうか
嗚呼 胸に染み付いた微弱な痛みを
ふと思い出せば 忘れられなくて
甘い言葉では足りない想いを
苦いコーヒーで掻き消せるのなら
寂しがりなくせに独りになりたがっ...

不健康なものほど何故か美味い
味の濃い刺激が堪らない
手軽な幸せの中毒性
あらら オーバーキル喰らっちゃう報酬系
無遠慮に汚れた手を舐める
はしたないあたしでごめんなさい
悪い子になっちゃう感覚
冷めたポテトを食んで 路地を行く
ぱらぱっぱ ぱらっぱっぱーの らららんらんらん
肥えた烏が獲物を啄むよ...

逃げ出すのにも　勇気がいるなんて
傷付いてから悟るんじゃ世話ないな
奪った数はもう　忘れようなんて
狡いと呼ばれても　仕方ないのかな
何か一つを選べなくて
何一つ残らなかった
ねえ　私はいつだって　弱さを肯定して
生きづらいんだって　我儘ばかり
強くなること　それさえ怖くて
誰かの邪魔するばかり存在...

冷たさが染み込んで 濡れたまま漂った
夢見心地 独法師（ひとりぼっち）
不確かな雨の音
深く息を吸って 水底沈み込んで
うたた寝は 終わらないで
行き詰まって 只 息詰まって
隠した本心も多分 作り物になっていく
形もないような 心は今も取り留めないや
淀む思考の中には 昔のあたしが一人
すれ違って...

甘い幸福感に包まれて馬鹿になれば良いのに
溜息ひとつ吐き捨てて
限界なんてとうに超えてる
思考回路も理性もバグっちゃってんだ
甘い果実の冷たさが
あたしの体熱くしちゃってんの
警告音が鳴り止まないわ
危険！今すぐ逃げてと叫んじゃうけれど
味を知っちゃったあたしの喉は
依然今すぐ早くと欲しがっちゃうの...

夜更かしを続けたからやがて朝だね
浅い眠りの最中で呆れちゃうの
拙い言葉だけれど大切なこと
覚めかけた夢の中に消えていった
遠ざかっていく夜と 佇む街の中
行き交う人はまだ 疎らな道を行く
冴えた閃きは
今にも見失いそうだ！
画になる景色も
粗悪な眼で汚して...

もう どうしようもないほど疼く
心の奥まで 気持ち悪さが一杯
全てを疎ましく思う 無様な憎悪が
情けなくて泣いたの
何もかも脱ぎ捨てて
名前さえ塗り潰す
それでも尚 染み付いた
あたしがここにいる
鏡には厭な顔
見飽きた弱い顔...