「レンー」
「んー?」
「好きだよ」
「………んー…」
なんでそれだけなの、ばか。
リンリンシグナル2【自己解釈】
「ごめ…起きたら9時半だった…」
顔の前で手を合わせて申し訳なさそうな顔をするレン
遠くで見つけた時、ついにやっとしてしまったけど。
今はわざとらしく頬を膨らませて腕組みなんかしちゃったりして、横目でちらりとレンを見ていた。
「それ何回目ぇ?」
むくれる私にレンはさらに小さくなっていく
「ごめんって…次から気を付けるし…」
その台詞も何回目………
なんて言いたいとこだけど、毎回ホントーに申し訳なさそうにしゅんとしちゃうから言えない。
…これが世に聞く惚れた弱みってやつか
「いーよ、もう。…遅れるのなんか、いつものことだし…」
腕を解いて、レンの方に向き直る
するとレンは顔を上げる。やっぱり申し訳なさそうに。
「もういいったらぁ…ほら、映画始まっちゃうからっ」
「んー…ごめんな?」
…毎回こんな感じでうだうだした後、私達のデートはやっと始まる。
そう、毎回レンは遅刻するんだ
時間通りに来た試しがない
走ってきたせいだけじゃなく、ろくにセットしてないできたからであろう、癖の多い髪を揺らして歩く横顔を、恨めしげにちらりと見る
ったく、こっちは何時起きでセットしたと思ってんだ
……だからね、時々思ってしまう
私ばっかり、好きなんじゃないかなって。
だって、レンからの好きって言葉聞いたことないもん
…私は、何度となく言っているのに
ちくり、と胸に何か刺さる
レンのホントの気持ちがわかんないから、時々胸が苦しいよ…
「リン、危ない」
ぐい、と手を引かれて私は現実に引き戻される
「ったく、何ぼーっとしてんだよ…」
危うく人混みに飲み込まれそうな私を、レンがぐい、と自分の方へ手繰り寄せる
呆れ顔、でもちょっと照れたような顔で
「えぁ…ごめん…」
どこかへワープしていた私はあまり状況が掴めていないのか、曖昧な声で謝る。
するとレンはしばらく何か言いたげな目でこっちを見た後、ふい、と踵を返して歩き始めた
「え、何?!なんかした?私…」
慌てて記憶を探りながら、手を引かれるままに私も歩き続ける
見上げれば結ってあるレンの髪が歩くリズムと共にぴょこぴょことしているだけ
「……お前チビだから…迷子に、なるだろ…」
騒がしい人混みの中に、掻き消されそうなほどのレンの言葉に私は目を見開いた
多分聞こえてたの私だけなんじゃないかな。
「ひ…ヒド…Σチビってレンもじゃんっ」
まぁ、拾った声は憎まれ口だったけ…
「……うるせ…」
ぎゅ、と私の手を握る力が強まる
あ…そういうことか…
再び目を見開いたあと私は口元を弛ませる
別に、許可なんていらないのになぁ……
ホント不器用
応えるように私もその手を握り返せば、ピクンとレンの後ろ姿が反応を示す
それがなんだかかわいくって、嬉しくって、
心臓を擽られた
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