沈み込むのはよせよ。
こっちまで気分が沈んじまう。
「何を言ってるんだい」
何のことだ?
「沈み込んでるのはあんただよ」
そんなわけないだろう
「馬鹿だね。周りをしっかり見てごらん。」
黒い服装。
漂うのは線香の香り。
坊さんのお経。
人々の悲しむ声。
「分かっただろう?」
あぁ、これは…
俺の弔いだ。
俺は死んだのか。
(俺が死んでも悲しんでくれる人は居るんだな。)
土の中に沈み込む。
嫌いなんだ。
線香の残り香。
死んだ母さんを思い出す。
嫌いなんだ。
坊さんのお経が。
死んだ父さんを思い出す。
嫌いなんだ。
悲しむ声が。
俺が死んだ事を思い知らされる。
「馬鹿だね」
「何も感じやしないだろう?」
「あんたはもう死んでいるんだから。」
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