帰れぬこの場所。
帰らざるこの場所。
切れさることが許されぬ、偏狭のこの場所。
天より見えざる大地あり、地より見えぬ雲ありき。
このうち帰らぬ子らは、帰ることを許されぬ。
その場その場を見えぬれど、子らは帰れぬ場所におり。
この世を憎むことされど、許されぬ子らが住む。
彼岸と悲願が結ばれるこの場所こそ、地獄あり。
現の橋はむすばれぬ、あぁ悲しきあの世かな。
脱衣婆が、おるがやき。
その衣の重さは、わが生であり。
かたし、つかれし、いしつみに。
懸衣翁が、おるがやき。
あぁ、さんずがわをわたしぶね。
彼岸花 悲願花。
彼岸の日に咲き誇り、紅色纏いし紅蓮の花。
現は見えぬ、その影は、他の花より色濃くうつると言う。
現の端は、春の世の夢、だれとて、見えぬ春の夜。
雲がかかりし、不死の山に彼岸花咲き誇る、マンジュシゲの華。
赤く咲き誇る、現の華。
端、橋、梯、箸。
・・・そう、現のはしが、いま・・・
かかろうとする、彼岸花、一面の花。
あぁ、そこに、今、現の橋が・・・
ある日、あの時、あの場所に、
地獄どおりを耳にした。
天神どおりを耳にした。
いつどき開くは、知らぬ場所。
童歌を耳にした。
とーりゃんせぇ、とうりゃんせぇ。こーこはどこの細道じゃ。
天神様の細道じゃ。
こーこを通してくだしゃんせ。
赤子連れし母は、そう問うた。
よーぉうの無い者とおしゃせぬ。
天神使いは、そう言うた。
この子の七つのお祝いに、御札を納めに参ります。
行きはよいよい、帰りは・・・・・・
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