楽しかった夏も過ぎて、9月に入った頃のこと。
「あー、暇だなー」
「そうですねー」
アカイトとモコが2人仲良く、ぐだーっとテーブルに寝そべっていると、
「こんにちは・・・ここがバンさんの研究所、ですか」
紫色した落ち着いた雰囲気に纏まった女の子が、入り口のドアを開けて入ってきた。
「お、久々に新しい顔だな」
バンは嬉しそうに呟き、
「さ、どうぞ。お茶でもどうですか?」
ジミはにこやかに、声をかける。
「あ・・・」
紫色の女の子は、一瞬ジミを見て、
「ポッキー、ありますか?」
「ポッキーですか・・・。そんなお菓子あったかな? ちょっと探してきますから、テーブルの椅子に座ってて下さいね」
そう言って、台所へと入っていくジミ。
「こんにちは、・・・えっと、名前なんて言うの?」
言われた通りテーブルの椅子に座る紫色の女の子に、アカイトはたずねる。
「私の名前は、調律ノームといいます。こう見えて、ボカロ楽団の指揮者っていうのをやらせてもらってます」
落ち着いたクールな雰囲気はそのままに、ノームという女の子はにっこりと微笑む。
「へぇ、ボカロ楽団の指揮者やってるんですか。すごいですね」
目を丸くさせて、モコは言って、
「ボカロ楽団か、というと、今度∞通りにあるミュージアム館で講演会やる、期待の新楽団だろ?」
「え・・・間違ってませんけど、どうしてそこまで知ってるんですか?」
アカイトの言葉に、ノームは首を傾げる。
「俺は、この町のことなら、何でも知ってるんだぜ」
「はい嘘つくのやめて下さいねー」
腕を組んで頷くアカイトに、モコは黒い笑顔で言う。
「わーい、また新しい人? こんにちは、私恋歌ナエル! 人の恋路を応援するのが大好きなのよね!」
そこへ、ナエルがやってきて、
「もうナエル、元気過ぎてなんだか困っていr・・・きゅううううううううん!!」
ナエルの隣にいたワンが言いかけて、ノームに抱きつかれて思いっきり鳴いた。
「・・・もふもふしてて、可愛い」
ワンに抱きついたノームは、微妙に頬を赤く染めて言った。
「くーん、いきなり抱きつくの、やめてほしいわん・・・」
「もふもふしてるの、好きよね!」
「はい」
ナエルの言葉に、ノームは嬉しそうに頷く。
「はーい、台所の棚にありましたー! 例のパフェ対決の後の、打ち上げ用のお菓子がまだ残ってました」
そんなところへ、ジミが楽しげにポッキーの入った箱を手に、やってきた。
「打ち上げ・・・そんなことあったかな」
首を傾げるアカイトに、
「ありましたけど、私たちは少し遅れて打ち上げに行きましたよね?」
モコは笑顔で、言った。
「あー、あの時は楽しかったよな」
「「そうですね。あの時、アカイトさんもお酒飲めば良かったのに、残念ですよ全く」」
「わああああっ!?? ムウとフワ!」
「「もし飲んでたら、普段はなかなか口に出せないことも、言えてたはずなのに、残念ですよ全く」」
「なっ! う、うるせぇ!! ・・・もしお酒飲んで寝ちゃったら元も子も無いだろ?」
「「上手くかわせたとか思っても無駄ですよ。もしそうなったら、モコちゃんに介抱してもらえますよどうですか」」
「あー・・・」
「な、なんですか。私、アカイトさんの介抱しませんよ」
「「そう口では言いつつも、実はまんざらじゃなかったり」」
「・・・!」
「・・・・・・牛と天使と羊と、・・・ここって、不思議なところですね」
ポッキーを早速食べながら呟くノームに、
「そうですね。・・・でも、みんな違って、みんないいって言葉がありますし、・・・・私は結構、この場所が好きですよ、ノームさん」
ジミが、可愛すぎる笑顔で返事する。
「そうですね、ジミさん。・・・ところで、」
ノームは、ジミを見つめる。
「・・・ジミさんって、なんか地味」
「地味って、言わないで下さーーーーいっっっ!!! あと、なんか地味って私の本名ですっ!」
ノームの一言に叫んだジミに、それを見たナエルが、
「それは、言っちゃいけないよね!」
と、一言びしっと言ったのだった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【亜種コラボ小説】 紫色の女の子の登場と秋の初めだけどやっぱり夏の跡は消え去らずに残って

こんばんは、もごもご犬ですこんにちは!
今回は、待望(?)の亜種コラボ小説の新作です!
やっぱり書いてると楽しいですね、特にムウちゃんとフワちゃんが絡んでくるシーン(笑) 癖になりそうです←
それから、新しく出演を許可して下さったノームちゃんのマスターさんには感謝です!ありがとうございます、これからもよろしくお願いします!!
さて、パフェ対決ですが、新たに追加エピソードを加えようと思います!
しかも、そのエピソードには、新しい亜種さんが登場する予定です・・・!
あと、投稿してない未投稿分のエピソードとかもそろそろ消化したいですし><
なので当分パフェ対決編が続くと思いますが、よろしくお願いします!
次回も、お楽しみに!^^

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投稿日:2010/09/12 20:31:00

文字数:1,678文字

カテゴリ:小説

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