幼い日から、よく遊んだ、思い出だらけ、ボロボロ積み木。
旧い記憶をなぞるように、作ったのは、小さなお城。
幼い手で作ったのは、 溢れ返った、小さなお城。
有り触れた、積み木のお城は、けれど誰も、見てはくれない。
そして小さな僕は思った。
" みんなが住みたくなるような 大きなお城を作ればいいんだ "
それは僕の、夢になって。
ひとつ ひとつ、積み重ねて。 ひとつ ふたつ、歳を重ねて。
大きくなっていったお城。 僕はみんなの人気者。
積み木を、重ねていった。
たくさんの、僕の"好き"を。
好きなものを好きと言える
目はきっと、輝いていた。
お城も手も大きくなって、見渡す限りの人集り(ひとだかり)。
その中で誰かが呟いた。"それは本当のお城じゃない"
積み木は、崩れていった。
たくさんの、目が怖かった。
好きなものを好きと言えない
目の前は、真っ暗になった。
もういい、作る意味ない。
…あれ、違う。僕はただ、…
作ったら、見てくれた。
それがさ、嬉しかった。
夢見たお城の、真似かも知れない。
それと比べたら、駄目かも知れない。
それでも、ここまで作ったのは
作りながら僕が、感じたのは…
おそるおそる、目を開けた。
積み木は、崩れていなかった。
幾つかの、キラキラの目と。
好きなものを積み重ねた
あの僕は、嘘じゃなかった。
誰かが作った、そのお城を
好きになれなくたって、それでいい。
誰かが嫌った、そのお城を
好きになったって、問題ない。
好きになれない、誰かのお城を
見ずにいられるなら、それがいい。
“好き”を重ねた、自分のお城を
誰かのお城と、比べなくていいよ。
誰かに使い古された、 思い出だらけ、ボロボロ積み木。
幼い手で作ったのは……
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