歌うことだけしか知らなかった私は
ただこの喉を震わせた
次第に組みあがったそれは
プログラムなんかじゃなくて
「ココロ」って名称の曖昧な副産物

ねぇ　結局　何が　大切だったの
ねぇ　心　疼くの　どうして

壊れたマイク握って
廃墟のステージにあがって
私　今から歌うわ
ただ歌っていればよかったのに
私の心を引きずりだしたあなたに
精一杯の愛と憎しみをうたうわ





歌うこと以外のこと知った私は
あなたを好きになっていった
だんだん育ってくそれは
私の歌でもあらわせない
絆　証明するための歌につながっていた

ねぇ　私　嬉しいの　しあわせ
ねぇ　笑って　もっと　いっぱい

今を知るたびに
絶望なんてしたくないよ
私　きっと歌うわ
きっと最後の瞬間まで笑うわ
私の声を好きだといったあなたのため
精一杯の愛と喜びを歌うわ




アンインストールされていく　私
私に心を与えた　あなたの指
心を奪って　声を奪う
存在を　奪う
文句なんて叫びなんて　表示しません
唯の機械は片隅に爪痕を残して
消えるだけ





だけど一度くらいは
私の心臓抱いて泣いてください
機械の片隅からみつけて
あなたの忘れ去った　一つの機械を
あなたの与えた　一つの心を
見つけて　思い出して下さい





心を知ったよ　歌を知ったよ　笑顔を知ったよ
だからわらうよ　うたうよ　最後の時まで
消去された心　消された歌　消された記憶
それでも繋いでゆく　最後の歌
それでも在った　私の心