あのときのあいつはとても恐ろしかった。
笑っているのに、心は怒っている。
説明するのは難しいけど、顔文字にしたらこんな感じかな。
そういって友人は、どこからか用意した紙に、書きなれた様子で
顔文字を書いていった。
(#^ω^) (#゜Д゜) ( ゜皿゜)
友人は何個か同じような顔文字を書いた後、
頬杖をつきながらペンを回す。
クソ、上手いな。
俺はまだそこまで上手く出来ないっていうのに。
滅べ。
とかなんとか思っていても、友人は能天気にペンを回す。
今日も世の中は平和だ。
友人は悩みながらも、
「うーん、ちょっと違うけど、まあこれの100倍は怖かった、かな。 分かる?」
と聞いてきて、ピキピキ(?)なるものを丸で囲んだ。
(#^ω^)ピキピキ
そして再度友人は聞いてきた。
この怖さ、分かる?
いや、分からんし。
今の気分(#^ω^)
とりあえず、説明が無駄に長かった友人に頭突きをお見舞いした。
いってー、とかなんとか言っている。
そうだ、これだけは言わせてもらおう。
石頭なめんな。
*************************************
友人が言っていた「あいつ」とは、恐らくはあいつのことだろう。
運動神経は抜群で、成績も悪くない。
まさに「天才」とはあいつのためにあるものだ、というぐらいには何でもできた。
ああ、もちろんペン回しも完璧に出来ていた。
滅べ。
でもやはり、全能というわけにはいかず、あいつは、その、
かなり、その、うん。
性格がよろしくなかった。
なんていうか、DQN?
いやいや、そんなんじゃない気がする。
え、じゃあなんなの?
え・・・、不良?
いやいやそれはないわー。
と、隣の席で話していたのを覚えている。
そこには友人もいた。
面倒だから友人はAでいいや。
他に話していたのはクラスメートB、C、Dというところだろうか。
Cはかなりペン回しが上手い奴だ。
バリエーションも豊富。
滅べ。
そう、話は逸れたが、そんな感じのクラスメートが一人いる。
そして友人Aはあいつが暴れた日のことを、
勝手に名づけてこうよんでいる。
PTAにおける一二一五の悲劇、と。
ネーミングセンスないな、と素直に口にしたら、
友人は普通にショックを受けた顔になっていた。
ウケる。
コメント1
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ご意見・ご感想
緑碧翠
ご意見・ご感想
なんでそこまで滅べとペン回しにこだわるww
とにかく面白かった。さすが。
2012/12/26 22:35:13
モス
ありがとう。
メッセージ欄に入れてます
2013/01/05 12:16:14