[6月12日(日) ???]

?「よいしょっと。おー、ここかあ。」

[同刻 自宅]

 「近日」とか言っておきながら、もうすぐ一週間が経過する。

 一人ならともかく二人とも遅いってどーゆーことなの?「明日は薔薇と百合が咲く」の方が早く返ってきちまったじゃねーか。

 ……これもくそツマらなかったけどな。

 女の子ってこーゆーの好きなの?結局男同士と女同士のカップルができてさ。……よくわからん。

モ「マスター、コーヒー淹れましたよ。」

俺「おう、サンキュ。」

 モモの淹れるコーヒーは、近所にあるコーヒー専門店「LOKE」のマスターのやつの次にうまい。

 豆が豆なせいかもしれないけど、やはりプロとアマとの違いってとこだろう。そこは勝てないか。

モ「今日は珍しく晴れましたね。」

俺「あ、布団干してくれてるんだ。ありがと。」

モ「いえいえ。私は当然のことをしたまでです。」

 当然と言えるとこがうらやましい↓↓

 それからモモは座って韓国の超ドロドロしたドラマを見始めた。


 ぴんぽーん


 と思ったらチャイムが鳴った。

俺「はい?」

?「桃音モモさん、はこちらのお宅にいらっしゃいますか?」

俺「はい。もしかして百瀬教授のお使いですか?」

?「そーですそーです。遅れてしまいました。」

 ……インターホン越しだからか分からんが、この声……

 聞き覚えあるぞ?

俺「とりあえず中へどうぞ。」


 ガチャ


俺・?「あ…」

 いやもうまいったね。時間が止まったかと思うほどだった。

?「あ、え~と、あの…」

俺「と、とりあえず上がれ。ここで話すこともない。」

?「え、えへへ。お邪魔します。」

 ******

 モモがお茶を運んでくる間、テーブルを挟んで二人して黙ってうつむいていた。

 しかも正座。

モ「あらあら、これはお見合いか何かですか?」

 くそう、ドラマでいらん知識ばかり身につけやがって。

 でも、お見合いならまだましかもしれん。

モ「この方が、これから暮らすという方ですか?」

俺「あ、ああ。」

ミ「未久・F・サウンズといいます。ミクと呼んでください。」

モ「私は桃音モモです。よろしくお願いします。」

俺「まー見ての通りハーフだ。緑の髪はどっちかの親譲りらしい。」

モ「どちらの親かわからないんですか?」

俺「孤児なんだよ。小さかった頃に震災で親を失ったらしい。」

ミ「髪、長いですけど、気にしないでくださいね。」

俺「親の形見だからな。」

モ「……いやに詳しいですね。お知り合いの方ですか?」

 気がついたのか、見る間にミクの顔が紅潮していった。

 俺の顔も熱くなっていくのが分かる。

 やっぱ、これ言わなきゃいけねーかな?

 モモとはいえ、あんま言いたくはない。けど、これから暮らすことを考えれば、言うしかない。

俺「知ってるも何も、もともと俺らは恋人同士だったんだ。」


[モモサイド]

 ???

 今、マスター、なんとおっしゃいましたか?

 コイビトドウシ?

 お昼のドラマでよく見る、男性と女性のカンケイのことですよね?

 マスターって、彼女さんがいたんですね。

 ……いやいや、私はマスターのメイド。私には何の関係もない話。

 けれど。

 電気パルスが異常に上昇してるのは、なぜでしょうか?


[6月12日(日) 昼頃]

 驚いたことに、モモが一瞬止まってしまった。
 
 数秒で再起動したが、故障したと思って本気で心配した。

 俺に元カノがいるのって、そんなにショックなことだろうか?

 まあ言わなかったのも悪いと思うけど、好き好んで話すことでもないしなあ。

モ「すみません、ご迷惑をおかけしました。」

俺「いや、いいさ。……ただ、まあ、もしよければその時の話を聞いてもらえるかな。やっぱ、隠すのは良くないかなって。」

モ「はい、聞かせてください。」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

モモの木成長日記:三曲目「SING&SMILE」1/4

私のボカロライフの原点、「SING&SMILE」(http://www.youtube.com/watch?v=EH5NlPCICuo)。

ぜひとも曲を聴いた後でよんでいただきたい。

このお話は長くなるので、一部ずつ公開していきます。

4つ区切りかどうかもあやしいところw

でわ、第二部で。

なお、作品の関連性は一切ありません(ここ重要)。

閲覧数:139

投稿日:2012/05/02 15:17:08

文字数:1,656文字

カテゴリ:小説

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