しなやかに動く　指先を
気付かれないよう　目で追った
高そうで低い　あの体温が
またこの皮膚に触れたら

きっと　息が止まる


深く　深く　隠した　[I deeply hides]
心臓の裏　鼓動の隙間

深く　深く　沈めた　[I deeply sinks]
くらがりの奥　あの日の狭間　


躊躇わず伸びる　指先は
いつもと変わらず　あのひとの
髪の一筋を　撫でて遊んで
まだこの胸に残った

棘が　傷を抉る


深く　深く　隠した　[I deeply hides]
くちびるの裏　吐息の隙間

深く　深く　沈めた　[I deeply sinks]
救いない底　記憶の背後


誰にも　見えないように
誰にも　知られないように
捨てられずに　抱え込んで

誰にも　言えないままで
声にも　出せないままで
呼べない名前を　繰り返す


深く　深く　隠した[I deeply hides]
伏せる目の裏　瞬く隙間

深く　深く　沈めた[I deeply sinks]
夢に見た果て　あの日の終わり

生まれて　すぐに潰えた
生まれて　すぐに壊れた
それでもまた　掻き集めて　

言葉に　出来ないままで
声にも　ならないままで
のみ込む想いが　喉を灼く




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しなやかにうごく　ゆびさきを
きづかれないように　めでおった
たかそうでひくい　あのたいおんが
またこのひふにふれたら

きっと　いきがとまる

ふかく　ふかく　かくした　　[I deeply hides]
しんぞうのうら　こどうのすきま

ふかく　ふかく　しずめた　　[I deeply sinks]
くらがりのおく　あのひのはざま


ためらわずのびる　ゆびさきは
いつもとかわらず　あのひとの
かみのひとすじを　なでてあそんで
まだこのむねにのこった

とげが　きずをえぐる

ふかく　ふかく　かくした　　[I deeply hides]
くちびるのうら　といきのすきま

ふかく　ふかく　しずめた　　[I deeply sinks]
すくいないそこ　きおくのはいご


だれにも　みえないように
だれにも　しられないように
すてられずに　かかえこんで

だれにも　いえないままで
こえにも　だせないままで
よべないなまえを　くりかえす


ふかく　ふかく　かくした　　[I deeply hides]
ふせるめのうら　またたくすきま

ふかく　ふかく　しずめた　　[I deeply sinks]
ゆめにみたはて　あのひのおわり

うまれて　すぐについえた
うまれて　すぐにこわれた
それでもまた　かきあつめて

ことばに　できないままで
こえにも　ならないままで
のみこむおもいが　のどをやく