A
運命に蝕まれている
終末に恋い焦がれている
本体は飲み込まれている
何もない鏡を見ている

B
背中に貼られた値札が
僕らの価値を示してる
どうにもならない鎖が
格子の奥を繋いでいる

S
押しつぶされている
「喉元」押しつぶされている
言葉の一つも舌先に出せないで
これを人生と呼ぶのだろう？

食い荒らされている
「感情」食い荒らされている
汚い理想に侵されて死ぬのなら
僕に人生は早かったのさ

A
輪郭が失われている
足跡が掻き消されている
解答が表されている
増えていく罰を眺めてる

B
奈落に落とした欠片が
砕けた役を映してる
乾いた両目がひりつく
壊れた脚で踊っている

S
押し付けられている
「セリフを」押し付けられている
望まれたように代役を纏っては
影に存在が溶けてしまう

締め付けられている
「心臓」締め付けられている
痛みに囲われ潰されてしまうなら
いっそ最初からいない方が　

S
突き付けられている
「本性」突き付けられたなら
どれほど望んだ結末なのでしょうか
僕に人生を処方してよ

すり減らされていく
「心が」すり減らされていく
粉々になって消えてしまえるのなら
願いたくもない夢を見ている