あるところのある言葉の国に

仲良し3人組が住んでいました。

アリガ・トウゴ・ザイマス くん

スイ・マセン くん

ドウ・イタシマシテ くん

の3人です。


3人は同じ家に住んでいて

人間に自分の名前を呼ばれるときに

家の外に出て仕事をしにいきます。

人間が「ありがとうございます」と言うときには

アリガ・トウゴ・ザイマスくんが

「すいません」のときにはスイ・マセンくんが

「どういたしまして」のときには

ドウ・イタシマシテくんが外に出て行きます。


だけど最近は アリガくんと

スイくんばかりに仕事があって

ドウくんは仕事がなくて困っていました。


なぜなら、アリガくんとスイくんが

ドウくんの分まで頑張っていたからです。

本当は「どういたしまして」と言うときにも

「いえ、こちらこそ ありがとうございます」とか

「いえ、こちらこそ すいません」とか

2人ともドウくんの分まで頑張っていました。


だんだん人間たちは、アリガくんとスイくんの

ことをフルネームで呼ぶことが面倒くさくなって

2人にあだ名をつけました。

アリガ・トウゴ・ザイマス から アザースへ

スイ・マセン から サーセンへ

呼びやすい名前に変えて行きました。


あるとき、ドウくんは家に帰ってきた

2人に言いました。

「いいなあ、2人とも仕事があってさ。

 あだ名もついて、皆に人気があって。

 僕は2人がうらやましいよ」


そしたら、アザースとサーセンは

ドウくんにこう言いました。

 

「そんなことはないよ。

 僕たち2人は変わってしまったけれど

 君だけは昔から変わってない。

 だからいざというときに輝くんだし

 素敵なんじゃないか」


ドウくんは本当に嬉しい気持ちになって

2人に感謝の気持ちを伝えました。

そんなドウくんに

アザースとサーセンは笑顔で言いました。

「どういたしまして」 

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  • 非営利目的に限ります
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コトバの国の3人

閲覧数:50

投稿日:2015/11/30 19:30:06

文字数:828文字

カテゴリ:小説

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