【チョコレート幸福論】

「幸福(しあわせ)とチョコレートは似ていると思うのです。」



まずはひとくち。
噛み砕いたりするのはいけません。
口の中でゆっくりと溶けてゆく。
君のその言葉の甘さ、ゆっくりゆっくり味わって。

人に愛される事の甘さにわたしは夢中になりました。
甘い　あまい　アマイ　甘い。
ただただ甘いその時間、なんて幸せなことでしょう。
「ずっと一緒に居ようね」と、微笑み合うんだこの甘さ。
これが私の幸福(しあわせ)なの。



そろそろはんぶん。
何度もその甘さを求めたのに
甘さは日に日に薄れてゆく。
君の離れてゆく気持ち、「さようなら」って呟いた。

一方通行の気持ちにわたしは涙を流しました。
甘い？　苦い　そして　辛(から)い
二度と戻らないその時間、歯を食いしばって耐えました。
「どうして離れていったの」と、一人で寂しいこの苦さ。
これがあなたの選択肢。



チョコレートはもう無くなった、ねだったってもう戻らない。
苦い　辛(から)い　それでも　甘い。
楽しかったあの時間、忘れる必要ないでしょう。
何年たっても思い出す。二人一緒のあの甘さ。
これこそ私の幸福論。