第十一章
『お邪魔します』
「どうも、リンです!!」
私に向かってリンちゃんが挨拶をする。
「あ、よろしくね」
テンションの高い子だと思いながら私は伸ばされてきた手を握る。
「うわぁ、温かい。
良いなぁミク姉は」
そう言ってリンちゃんは私の横に座った。
「えへへ、良いでしょう」
ミクが誇らしげにそう言うとリンちゃんは「良いなー」と言って笑った。
「マスター、紅茶を入れますがどうしますか?」
私はポットを持っているミクに「何時もので」と返事を返した。
「私の弟、レンもいるんですよ」
「へぇ、VOCALOIDなのに姉弟って珍しいね」
私はリンちゃんの頭を撫でる。
「はいマスター」
紅茶の入ったカップを机に置いてミクも横に座った。
「有り難うミク」
私は紅茶のカップを傾けた。
「うん、美味しい。
ミク腕が上がったね」
そう言うと照れくさそうにミクは笑った。
「・・・・・・・・・・・・・本当に、羨ましいな」
リンちゃんはボソッとそう言って膝を抱えた。
「・・・・・・・・・リンちゃん?」
「私のマスターは何時もレンばっかりで・・・・・・・・。
今日だってレンしか呼んでなかったし」
俯きながらリンちゃんは涙目で話す。
「私が呼ばれるときは何時もレンが終わった後。
マスターはレンしかいらないんじゃないかなって・・・・・・・・。
ちょっと不安で・・・・・・・・・・・」
ポロッと一筋の涙が零れる。
黙ってしまったリンちゃんをミクは優しく抱きしめる。
私もどうして良いか分からずに座ったままぼんやりとその光景を見ていた。
「リン」
PCから声が聞こえてきて、リンちゃんとそっくりな男の子が現れた。
「レンッ・・・・・・・・・・」
「ん?あ。
ミク姉も一緒か・・・・・・・・・」
お久しぶりミク姉と挨拶をした後に私の方を向いた。
「初めましてミク姉のマスターさん。
俺は鏡音レン」
そう挨拶を済ますとリンちゃんの手を握った。
「行こうリン。
マスターが呼んでるよ」
「・・・・・・・・・・・私、もう行かない」
プイッとそっぽ向いてミクに抱きつく。
「マスターは・・・・・・・・レンさえいてくれれば良いとか思っているもん」
リンちゃんがそう言うとレン君は溜息を吐いた。
「リン、これ」
何処から出したのか、紙の束をリンちゃんに差し出す。
「・・・・・・・・・・・マスターが、リンの為に作った曲」
そう言うとバッと紙の束を取上げて譜面を見ている。
「マスターは俺にリンは何が好きかとか聞き捲くってた。
リンに内緒で曲を作ってあげたいって」
「マスターが・・・・・・・・・・?」
紙の束を見、震える唇でリンちゃんは言う。
「リン、戻ろう?
リンがいなくなった事にマスターは泣いてたよ」
そこまで言うとリンちゃんは紙の束を抱えてPCへと飛びこんだ。
また来ます、そうレン君が言って後を追う。
部屋に残された私たちはお互い見合った。
「マスターは、私を放っておきませんよね?」
不安げにそう聴くとマスターは少し黙っていたがやがて
「勿論よミク」
と言って抱きしめてくれた。
私は嬉しくなって目を閉じて微笑んだ。
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メイコさんが可愛かったww
マスター…大丈夫なんでしょうか?;
つづき、待ってますね>ω<
2009/10/13 19:48:20