宇宙岬にて

八月マボロシ号

天気予報　星降り
赤い傘　手に取り

放課後に宇宙岬
約束したから

孤独な異星人　光も届かない
宇宙の花の名を　知る前に消えた

約束の宇宙岬　指切り血が流れていく
彗星が空に落ちて　この世界を侵してく

カラカラの心を　満たすもの探して
覗き込む望遠鏡　宇宙を目指した

恋するアルビレオ　別れを知らぬまま
異色の煌めきが　交差して消えた

夢の跡　宇宙岬
「嘘つき」　空の囁き

恋をした星みたいに
いつまでも黄昏ていた

幾億の宇宙岬　そのどこかで結ばれた
灰色の花を見ては　何かを忘れていく

追憶の宇宙岬　あの約束が
花の名前が分からずに零れている

涙さえ拭えぬまま