夜闇／初音ミク(inst)

夜闇

懸命に息をしている
毒が回るよりも早く
宛てなく手を伸ばしている
余映を 辿って

虚ろに溶けた生でも
救われる明日はあるのか
心臓へ麻酔を刺して
尊き迎えを待ち侘びている

この瞳は 嘘も涙も
見落としてばかりいるんだ
それならいっそ
何も見えなければいいと

飛び立て 遥か遠い何処か
無何有の郷を思い描け
幸も不幸も私の手で
ぐしゃぐしゃになっただけと知っても

終わることのない底沼を
今も絶えず走っている
朝焼け 眩む長夜



耳を劈く動悸が
揺らぐ存在を証す
此処も居場所ではないと
踵を 返しては蓋をして

いつから 浪費してきた
この人生はもう 期限を過ぎている

いつしか 黒く濁った
隠し続けた心ごと

壊せ 胸懐に蔓延る
有象無象を追って払え
いつか贖罪の叶う日を
枕辺に眠るだけ

夢中で崩れ泣き叫ぶ
情景が今も脳を掠めている
黄昏 嗤う影に閉じた宵



この手は 何も掬えずに
零れ落とすだけなのだろう？
雁字搦めで動けない
私を置いて進む世界

赦してよ
あと何度夜を越せば
空っぽの心満たされるの
全てを 忘れて
碧落の彼方まで
羽ばたく 白昼夢