其れも当たり前みたいな感じでいた。
【所長の話】
これまた、所長は面白かった。
人間界から来て、この職場に入ったばかりの新米の私によく愚痴をしゃべってきた。
ふつう愚痴は面白くないものだけれど、グチっている内容が本当にどうしようもなくって、おかしくなってしまった。
実際に顔に出して笑うと良くないので心の中で笑うだけだったけど。
【フランジェリムとの出会い】
私のパートナーはドグナ・ミラコ・フランジェリムというワカメの国の住人だ。
かなり名前が変。
変だけど、変だから、すぐ覚えられた。
まあ、名前からしても分かるが、彼女は女の人だ。
正式に言うとワカメの国では男女は無いらしいが、なんとなく面白半分で、男女があるらしい。
面白半分て…。
遊びみたいなものだそうだ。
まあ、ワカメの国ではそんな感じで理解できないことがたくさんあった。
私が経験したことの中で人間の概念にちゃんと置き換えられる事はほんとにわずかしか無かった。
もしも置き換えるのであれば…という感じしか説明は出来ない。
 フランジェリムは(私はこのフランジェリムという部分が音の感じが良かったので、彼女の事をそう呼んでいた。が彼女はなんでその長いところをいちいち呼ぶのかと言っていた)
私の仕事のパートナーとして、仕事の間は私とずっと一緒だった。
普通は助手なんていないのだけれど、私が人間で、ワカメ人より能力が圧倒的に低いのでこういう形を取らせてもらった。
所長がそうしてくれた。
初めは、何となく助手をやっていたけれど、後になって周りの同僚たちはだれも助手と仕事をしている様子がなかったので、所長が臨機応変に「助手」という立場を作ってくれたのだと
わかった。
私がいたほうが仕事の能率が下がるけれど、フランジェリムさんは嫌な感じは出さないで居てくれた。
私にもそれは分かった。
ソランジェリム以外のワカメの国の人には誰も助手なん付いていなかった。
私が1人では仕事が出来ないから、わざわざ「助手」という職をつくってくれたようだ。
その事について私は負い目を感じてはいたのだが、フランジェリムもその他のワカメの国の人も誰もそのことが嫌なんて思っていないようだった。

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ワカメの国 第九章 正し過ぎた人 畑広美の物語

ワカメの国に来た日の事。
若芽の妖精フランジェリムに出会う。
何やら、若芽の妖精にも偉い、偉く無いが在る様だ。
※小説「ワカメの国」は現在「KODANSHA BOX-AIR新人賞」に応募中。
Yahoo!版電子書籍「ワカメの国」は此方
URL:http://blogs.yahoo.co.jp/wakamenokuni
です。

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投稿日:2012/02/14 03:15:15

文字数:917文字

カテゴリ:小説

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