蒼く深い視線の中に
取り残されていた
裸足を乗せた床が直ぐに
体温を奪う
冷気が肩を強く抱いて
背を向けることさえ許さず
貴方の背にある剃刀は
ひたすら鋭さを増してゆく
憎むべき親しい貴方を
殴っても手には鈍い痛み
貴方は誰と問いかけても
壊れるのは私だけ
倦怠と焦燥はすでに
溶け始めていて
放っておいた意志や決意を
さめざめと濡らす
貴方を感じるためだけに
自分を消し去る快楽は
ただの苦痛になり果てた
いつまでも姿を見せないから
このまま死ぬまで貴方と
過ごすことは生存の代価
それならば貴方を殺す
何もない、なにもいらない
「愛しさなんて何かの間違い
見つめ合う度に不幸になるわ
一体何時まで私を抱いているの
今すぐに私から離れて」
彼女が目を覚ますとそこに
血と鏡と朝日が
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