思えば、もうあなたの顔を覚えていないや。
震えた、指先で何に手を染めようか。
薄れた、憧憬を掻き集めてはいるが。
重ねた、慟哭でもう前が見えないや。嫌。

少年だったあの頃、きっとなれると思った
思い描いていた大人にはもうなれない僕だった。
「あぁ、もういっか。」
このまま身を投げて仕舞えば楽か。
焚き火の中に夢を葬げ去った。

此の儘、朝が滲むなら。
陽炎(かげ)に揶揄(かく)れて幻惑(まど)すなら責めて。
吐き出したい甘い淡い柔い馴染まないダサいペテン師が。
偽物ばっか。もう信じられないな。

揺れる深夜の波に灰木のような心を濯ぐ。
震える手を必死に叱って
弱音を吐いたら負けだと思った。
「さぁ、もういいか。」
そろそろ涙も流し切った。
「いつか叶うさ。」
白い息がそっと身を包んだまま。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

憧憬 / 歌詞

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投稿日:2019/02/24 01:40:09

文字数:350文字

カテゴリ:歌詞

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