いつも、いつも、いつも。
小さな鉄格子の窓から外を眺めているだけで。
「お外は危なくて、危険だからね。」
そう言われて、3歳からずっとココにいました。
だけど。そんな私だって。
外の世界に憧れたりするの。
成長が遅いのも、髪を切れないのも、
全ては自分のせいだって解ってる。
解っていても、諦めきれないんです。
今日もまた。
小さな鉄格子の窓から外を見ているだけで。
「ココが安全だからね。」
そう言われて一日を過ごすのだと思っていました。
でも…。こんな私だって。
外に出たいって思っているの。
冷たくて、冷めたごはん。
辛くて仕方がないのです。
仕方ないけど、嫌なのです。
そんな私に、ある日突然に。
小さな『羊』がやって来た。
『羊』は私に少しの温かさを教えてくれて。
扉を開けてくれて―――。
初めての。
扉の外の世界で。
ずっと、ずっと、憧れていた。
お願いがかなったのです。
明日もね。
こんな幸せになれるんだって。
「今日はどこに行くの?」
そんな言葉で、胸がいっぱいになるのです。
だから。こんな私でも。
外の世界はまぶしくて、キラキラして。
他愛無い会話に、光る笑顔。
大好きで、大好きで―――。
そして今日もまた。
新たな一日は来て。
私を新たな世界へと導いてくれるのです。
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