S
わたし 息をしてる 夢を見てる
諦めた 未来を眺めて


A
注がれたミルクを 飲み干した朝
帰り道が わからなくなった
黒猫のワルツも ピアノの音も
奏で方も 忘れてしまった

B
からっぽに なった 体に 一つ
埋められる アイを くれないか
鬼の番 なんて 疲れて しまう
生きたくもないのに

S
わたし 息をしてる 夢を見てる
水葬に 閉じ込めた願いを
あぁ 眠ることに 疲れたなら
灯らない 真夜中で待ってて


A
いつからかだったか 聞き飽きた音
１ミリさえ 動かなくなった
欲しいもの聞かれど 答えられずに
甘え方も 忘れてしまった

B
カラカラに なった 心に 巣食う
毒虫は 誰も いらないわ
もういいよ どうか 見つけて くれよ
使い古しのこと

S
そっと 月を見てる 月を隠す
嫌気さす 静寂の夜さえ
まだ 眠ることも できないから
起動して 繋がりを辿って


C
歩き方も 壊し方も
教科書はもう 失くしてる
朝の前に 明ける前に
明け方もまだ 知らないや

S
わたし 息をしてる 夢を見てる
水葬に 閉じ込めた願いを
ねぇ 息がしたい 夢は見ない
灯らない 部屋の隅待ってる

あのね 月が痛む 窓を汚す
海の底 重くなる錨（いかり）を
もし眠ることが 出来た時は
夜の果て 終点で待ってる