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※ 注 意 ※
当小説はmothy_悪ノP様の「悪ノ娘」、「悪ノ召使」の二次創作です。
mothy_悪ノP様には全く関係はございません。
言うなれば勝手な妄想です。
独自の解釈を多く含みますので、それを嫌悪する方は見ないことをお勧め致します。
何か問題等ありましたら言ってください。すぐにでも削除いたします。

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―――なぜ、双子である私たちが王女と召使なのか。
それはこの王族の掟が深く関係していた。
代々、我が黄の国は女王が納めていろ女系一族。
更に双子は災いを呼ぶとされて忌み嫌われていた。
そんな中産まれたのが私たち。

周囲の期待の中産まれたのが、双子の私たちだった。

どちらかを殺せという話が大臣たち上がり、そうすると標的となるのは自然とレンになる。
しかし、いざ処刑する日の前日、子を持たぬ大臣がレンを連れて城から抜け出したのだ。
大騒ぎとなったけれど、結局見つからず、この事件とレンの存在は闇へと葬られた。

それから数年後、十を迎え暫くしたある日、レンが私の前に突然現れた。
物心ついてから初めて逢ったはずなのに、私の片割れだと直ぐに分かった。

『逢いたかった』

そう心が叫んでいた。

『ずっと逢いたかった』

心が叫んで叫んで、涙が零れ落ちた。

愛しくて愛しくて、思わずレンを抱きしめて泣き喚いた。
その頃にはお母様もお父様ももういなかったから、周りの反対を押し切ってレンを私の召使にした。
反対派のリーダーを見せしめに一人処刑してやったりもした。

もう、離れたくなかったから……。




―――なぜ、俺が十になって直ぐにリンの下へ行ったのか。
それはリンに復讐するためだった。

先代の女王と王が亡くなって早二年…。
たった二年のうちに王女は好き放題やり、国は破滅の一途を辿っていた。
そんな中、十の誕生日に父さんかえら俺の生まれを…、俺の正体告げられた。
ショックだった。父さんと母さんが本当の両親でなかったことよりも、片割れがいて、それがあの王女だということがショックだった。
けれど、それと同時に納得した。
王女に似ているとは何度か言われたことがあれど、俺と両親とじゃ似ている所が何も無い。
それに、この容姿のせいで周りから冷たい目を向けられていたのも、紛れも無い事実だったから。

俺の誕生日からすぐ、父さんが流行病に掛かって床に伏した。
母さんが幼い頃に死んで、男で一つで俺を育ててくれた父さん。もしかしたら無理をしていたのかもしれない。
一生懸命に看病したけれど薬なんか買えるわけが無く、数日後、父さんは静かに息を引き取った。
父さんの墓を造っている時、王女に殺したいほどの憎しみを覚えた。
国民はこんなに苦しんでいるのに、王女は笑ってそれを見下ろしているだけ。
救いの手なんてくれやしない、自分のことが一番な独裁者。
それが許せなかった。そんな奴と同じ血が通っているなんて考えると吐き気がした。

それから、俺は復讐をしようと決意した。
俺にはこの容姿がある。上手くいけば思えば城に潜り込めるだろう。
そんな俺の思惑は当たり、すぐに王女の御前へと通された。
王女を見たら憎しみが爆発してしまうかもしれない。走り出して、首に手を掛けているかもしれない。
そう思っていた。……なのに。

『逢いたかった』

憎しみよりも真っ先に現れた感情。

『ずっと逢いたかった』

何度も何度も心が叫ぶ。

それは憎しみとは全くかけ離れた感情で、俺はひどく混乱した。
いつの間にか、幾つもの筋が頬を流れていた。
王女が俺を抱きしめて泣いていることに気づくと、愛しさあふれ出して憎しみを凌駕した。

王女を……リンを守りたい。

その想いが俺の全てを支配した。
この日から、俺はリンの召使になった。





ライセンス

  • 非営利目的に限ります

【二次小説】悪ノ国ノ物語+α~アル日ノ双子ノ心~


何故、双子なのに王女と召使なのか。
その解釈を私なりにしてみました。
これは+αの方です。

……のハズが!!
レン、始めは復讐目的ではなかった筈なのにいつの間にか……。
でも、自分的にはこっちの方がしっくりきたんで良しとします♪

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素晴らしい原曲はこちら♪
 □mothy_悪ノP様
 ・「悪ノ娘」http://piapro.jp/a/content/?id=sjgxgstfm2fg2is4
 ・「悪ノ召使」http://piapro.jp/a/content/?id=ktapoh00jbyf60v3


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投稿日:2009/09/03 17:35:56

文字数:1,593文字

カテゴリ:小説

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