怠惰な僕には縁遠いものだった
それに気づくのが遅すぎたんだ
握りしめたガラス玉は瑕一つつかないように
いつも隠し持っていたんだ
きっとこの夏が終わる頃には眩しさ目指し駆け抜けた日々
きっとこの冬が終わる頃には触れ合う肌で温め合う日々
「いつかきっと来るはず」
気づけばそれは過ぎ去って
すれ違うひと波に飲まれる
青が滲む あまりに当然に
その色で溢れるから
僕もいつか その色に染まって
世界を彩ると
そうやって瞼に染み付いた跡をなぞった
過ぎ去ってく世界に気づかないままで
待てど暮らせど探し物は見当たらない
手に取ることは憚られる
曇りきったガラス玉じゃ何一つよく見えないから
どれも偽物<おなじもの>に見えた
きっとこの場所を出ていけば華やかで憧れの未来
きっとこの日々を耐え抜けば過去になるはずだ
震える今
「ここじゃないどこか」に
気づけばたどり着いたのに
いまだに色づく気配がないのは何故なんだろう
水に溶けたその色の集め方は知らない
こぼれ落ちたその水が頭の中濁してく
ひび割れたガラス玉に染み込む
やけに甘い水のように
内側から蝕んでく
青が滲む 僕が僕であるほど
濁る明日は
誰のせいと睨んでも 僕だって
悪くはないのに
どうやって報われるその日はやってくるのか
歪みきった視界に滲む青だけが
目について離れない
憧れだったかもしれない
妬み嫉みだったかもしれない
明日ごと沈んで
青が 青が 青が
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