女「ふーん……」

男「何してるんだ?」

女「パソコンで小説読んでたんだよ。だけど全然ダメ」

男「面白くないのか?」

女「心に響いて来ないんだよ、男君!!」

男「何キャラなんだお前は」

女「書き手も自己満足じゃなくて、もう少し読み手を意識してほしいものだよ、全く」

男「じゃあ女ならどんな物語を書くんだ?」

女「それを聞いちゃうんだ?」

男「何だよその誇らしげな顔は」

女「文系の力を甘く見ないでね!!」

男「関係あるのか、それ」

女「昔々あるところに、女という人がおりました」

男「自分出演かよ」

女「その女は、一人の男を愛しておりました」

男「嫌な予感しかしない」

女「その男の名は男と言いました」

男「やっぱりそうなるか」

女「その男も女が大好きで大好きで仕方ありませんでした」

男「何で俺だけそんなにオーバーな感情表現なんだよ」

女「そして女と男は結ばれ、末永く幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし」

男「終わりかよ」

女「中々にハートフルなストーリーでしょ」

男「盛り上がりもなければオチもないな」

女「背伸びしないで、ありのままを伝えた方がいいんだよ」

男「お前、さっき自分でいったこと覚えてるか?」

女「え、何だっけ?」

男「書き手も自己満足じゃなくて、もう少し読み手を意識してほしいものだよ、全く」

女「うわ、男君、偉そう」

男「お前だよ!!」

女「じゃあ男君はどんな話を書くのさ」

男「……何も思い浮かばないな」

女「想像力なら私、男君に勝てるね!!」

男「妄想力の間違いだろうが」

女「男君と私の官能小説とかどうかな//」

男「焼き捨てるだろうな」

女「とか言いつつ、ちゃっかり保存版にするんでしょ」

男「しねーよ」

女「ちぇっ」

男「ところでさっき読んでた小説はどんな内容だったんだ?」

女「何か不治の病にかかった女の子と男の子のお話」

男「ありがちだな」

女「でもありがちだからこそ面白いのかもね」

男「そうだな。実際あったら大変だもんな」

女「……もし私が余命一ヶ月とか言われたらどうする?」

男「驚くだろうな」

女「そんなのやだ!! もっと一緒にいたいもん!!」

男「自分で言っといて泣くな」

女「だってぇ……」

男「その時は俺が一緒に死んでやるから」

女「あ、何か今の小説の話にでそうなセリフ」

男「あのな」

女「ふふ、でも嬉しいな//」

男「でもお前恋愛小説しか読まないのか?」

女「推理系は頭痛くなっちゃうし、ファンタジーとかもそこまで……」

男「漫画とかもあまり読まないもんな、女は」

女「漫画だったら、ほのぼの系が好きだなぁ」

男「あー、女っぽいな」

女「うん!! こたつに入ってみかんたべながら漫画読む!!」

男「ぐうたらしてんな」

女「後はお布団の上で読むとか!!」

男「太っても知らんからな」

女「男君!! 女の子に向かって太ったは禁句だよ!!」

男「まだ太った、って断定はしてないだろーが」

女「どーせ先輩さんはスタイルいいですよーだ」

男「あのな」

女「……もし、私達みたいなカップルを主人公にしたお話が出たら受けるかな?」

男「いや、受けないだろ」

女「そうかなぁ。でもそれでもいっか」

男「何でだ?」

女「私達がお互いに好き通しで、毎日幸せに過ごしてる。私達が幸せって思えたらそれでいいよね」

男「……そうだな」

女「あっ、いけない!!」

男「ん、どうした?」

女「お義母さんにシチュー作っておいてって言われたの忘れてた!!」

男「そういえば今日は女がシチュー作るって母さん言ってたな」

女「急いで作らないと!! 男君も手伝って!!」

男「はいはい」

女「よし、行くぞ!!」

バタン。

男「さっきの女の話みたいになればいいけどな……」

バタン

女「ホント!?」

男「……ッ!! 早くいけっ!!」

fin

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【SS】 22 小説

ツンデレ男とひたむき女のひたむき話。
小説について語る女。
それを聞いた男の反応は?

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投稿日:2010/12/11 11:29:58

文字数:1,663文字

カテゴリ:歌詞

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