『御伽噺と言うのなら
 幸せに終わりたかった』



今は昔の物語


この世のものとは思えぬほどの
美しい姫がおりました
姿だけでも見えればと
思う男は数知れず
あまたの男が言い寄るも
誰にも心を開かない
そんな姫がおりました


『時が来れば皆さんの記憶は消されるのです。
 それならば…』


諦めず通う殿方に
無理難題を出す事で
追い払ってた姫さまも
偶然、出逢ったある御方には
心を開いたのでした。

『私に関わらないで下さいませ』
『それは俺には無理な事』
『罪を犯した女で御座います
 流罪で此方に住んでる身』


自分の秘密を知らせた後でも
文を贈り続けるその御方に
姫も次第に惹かれてゆきました。

それでも時は無情に過ぎて
姫の元へと迎えと別れを連れて来るのです。
誰も彼も迎えに逆らう事出来ず
姫は元居た世界に連れ帰られてしまったのでした。


『貴方の記憶が消されようとも
 私は貴方が忘れられず』



『また貴方に逢いたくて……堕ちて参りました』







ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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堕月使

アップしたのだけれど、後日改変する可能性大です。

閲覧数:275

投稿日:2009/03/31 23:09:05

文字数:445文字

カテゴリ:小説

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