市役所前から
河原町を下り
雨に濡れながら
朝日会館を過ぎて
三条の手前で
信号を待つ私
LOFTを横目に
BALの丸善で
ふと想い出した
檸檬をここに置いて
逃げた青年が
昔いた事を
まやかしさ
ジャンカラの賑わいに
心惑わされず進む
記憶を閉じ込めた
硝子製の器に
ヒビが入り砕け
溢れ出すのさ
情熱
ああ雨が降る
心の瞳が
耳を塞いでゆく
もしもあなたから
手を伸べて腕の中へ
抱き寄せてくれたなら
人熱れの中
肩がぶつかって
そのまま通り過ぎた
あなたが待ってる
マルイの前まで
急いじゃいないけど
イラつくわ
抹茶館の行列に
いつもの事だねと笑い
振り向いたあなたの
眼差しを忘れない
空の色は沈み
街のネオンが灯った
ああ雨が降る
心が乾いてゆく
冬はすぐそこだね
喉を締め付ける
二人で交わした言葉
想い出の彼方へと
あなたと逢う夜は
雫に濡れそぼる
これっきりだなんて言わないで
意気地なし
ああ雨が降る
心の瞳が
耳を塞いでゆく
もしもあなたから
手を伸べて腕の中へ
抱き寄せてくれたなら
河原町の雨は続く
私ひとり歩いて
いつの間にか夜は更ける
二人、影が交わる
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