―私はあなたの優しさに惹かれていった。
激しく雨が降っていた。
私は、雨を落とす空を恨めしく見る。
「ハァ…」
思わずため息がこぼれる。
でも、いつまでもここで立ち止まっているわけにはいかない。
早く帰りたくて、いつもの道じゃない、近道を選んだ。
歩いていると、前に同じ学校の制服が見えた。
「誰だろう?あんなところに立ち止まって、どうしたのかな?」
私はゆっくりと近くに行った。
私は驚いた。
立ち止まっていたのは、同じクラスで『不良』として、有名な『巡音ルキ』だったから。
彼の目の前には、段ボール箱が一つ。
中から声が聞こえた。
(猫だ!)
黒色の子猫。
彼は子猫に傘を差していた。
「巡音君?」
「!…初音?」
彼は、気付くと驚いたように私を見た。
彼の背中が少し濡れていた。
きっと、子猫を気遣っていたからだと思う。
「その子猫どうしたの?」
「コイツ、捨てられてるんだよ。」
彼は、少し怒ったように言った。
「私も撫でてみて良い?」
「…別にいいけど…」
私の腕の中で、子猫が鳴いている。
雨の中で冷えた体が、子猫の体温で温まっていく。
「温かい…」
小さいけれど、一生懸命生きている。
私の心は、もう決まっていた。
「巡音君、私、この子飼いたい。」
彼は心配そうな顔をしている。
当たり前だ。
いきなり、「飼いたい」なんて言っても大切にするかなんて分からない。
けれど、私はこの子の命を守りたいと思う。
彼も精一杯守ったこの子のことを。
だから、私は彼に微笑んで言う。
「私はこの子を守りたい。」
自信満々に言った。
「初音って、良いヤツだな。」
そう言って、彼は優しく、綺麗に笑った。
私の鼓動が高鳴る。
私は彼のことが好きになっていた。
―この黒色の子猫は、私と彼を繋いだ。
コメント1
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禀菟
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イイ悪だな!?
ルキいいやつ~
そしてぬこGJ(`・ω´・)b
2011/04/23 20:55:02