果てしない砂漠の隅っこで
二人
ガスマスクは汗も掻かずに
ただ歩く

電動ガン片手に
「どうして隠すんだ。心許ないのかい」
珍しく難しいこと言うもんだ
君はこちらを見て
返答待っては「やっぱいいや」
また面倒臭いことになりそうだ

感受性豊かな君にゃ分からないだろうが
これが人間ってモンだよと
散弾ずっと飛び交って
嘘泣き 嘘吐き なるべく知らないほうが
それが世の中ってモンだよと
皮肉込めて吐き捨てた

荒れ果てた広野の真ん中で
少し
昔の事思い耽っていた

既に充電切れの銃
「いつまで隠すんだ。辛くはないのかい」
訳の分からない事を言うもんだ
ガスマスクを外そうと
僕の手弾いては「そうじゃない」と
ああ面倒臭いのは始めから

ただ君の言葉 ずっとつっかえていたんだ
一体何を知ってるんだよと
引き金ずっと引けないで
裏切り 恨まれ それもまたいいんじゃない？と
これが美化道ってヤツだよと
君に告げず投げ捨てた

酔いしれた僕にしかめた顔で君は言う
「なんで信じていたのに」
散弾僕を貫いて
マスクを外してちゃんと君に言うからね
「これが人間ってモンだよ」と
涙流し笑ってた