君と出会ったのは、桜が綺麗に咲いている頃だった。
白いワンピースを着て、公園の片隅に座り込んでいた。
そんな君を見た瞬間、僕の身体中に電気が走った気がした。

「初めまして。」

思わず、声をかけた。
君はチラッと此方を見て、直ぐに目を反らした。

「僕の名前はカイト。君の名前は何?」

聞いてから後悔した。
これでは、ただの不審者だ。
君はそんな僕のことを見ずに答えた。

「…ない。」

あ、そうですか。
………ってワケにはいかないでしょ。

「えっと…じゃあ何て呼べば…?」

「…知らない。」

知らないって…じゃあ“君”って呼ぼう。
知らないってことは、何でもいいってことだと思うし。

「君は此処で何してるの?」

「…四ツ葉のクローバーを探してるの。」

君はそう答え、また四ツ葉のクローバーを探し始めた。


僕は少しの間、君を眺めて考えた。
そして、三ツ葉のクローバーを手に取り、君に差し出した。

「はい、四ツ葉のクローバー。」

君はそれを訝しげに見た。

「…何言ってるの?」

まだ良くわかっていない君に教えてあげよう。

「その三ツ葉のクローバーに1つ足りないハートの形は僕があげる。……そうすれば、四ツ葉のクローバーになるでしょ?」

微笑みながら説明をする。

「………………。」

君は黙って聞いている。

「ねぇ、君のハートも僕に預けてよ。僕も四ツ葉のクローバーを探してたみたいだから。」

取って付けたような言葉。
本当に探していたのは、君のことなのに。

「…いいよ。」

君は優しいんだね。

「ありがとう。」

「…アタシ、帰る。」

「うん。」

また会う日までさよなら。




















君と出会った公園に足を運ぶと、懐かしい後ろ姿が見えた。

「久しぶり。」

「…カイト…。」

「随分見なかったけど、ドコにいたの?」

「…色々。」

そう呟いた君は、少し悲しそうだった。

「……カイトのハートを返しに来たの。」

何となく予想していた。

「そっか…、ごめんね。」

「…何で謝るの?」

「重荷になってたんでしょ、僕のハート。」

「…そんなこと、ない。」

本当に君は優しい。

「また、君に預けてもいい?」

「…いいよ。」

今日からまた、僕らは三ツ葉のクローバー。




















(互いの葉跡預け合う僕らは)
(互いのハート預け合うアタシ達は)


(まるで)


(“クローバー”)
(“Clone Lover”)




ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

三つ葉のクローバー

今回は「三つ葉のクローバー」の自己解釈です。

この曲、『キュー.+゜*(о゜Д゜о)*゜+.ーン☆』と、きましたww



DECO*27様すみませんでした。

閲覧数:150

投稿日:2011/07/29 19:29:56

文字数:1,078文字

カテゴリ:小説

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  • 禀菟

    禀菟

    ご意見・ご感想

    顔文字かわええwww
    俺聞いたことないけど、きゅんきゅん来た!

    文才譲ってくれないすか?

    2011/07/29 21:45:09

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