俺は部屋を見回した
そこには信じられない物が立っていた・・
僕はかつてないほど大きく目を見開き言った
「リンちゃん・・・」
第2話 「眠れぬ夜、決意の朝」
「お、俺は夢を見ているか・・それともアニメの見過ぎで頭が・・」
しばらく状況を理解することができず
部屋の隅からPCの前に立つリンちゃんをただ見つめていた
間違いない、リンちゃんはこの部屋に実在している
15分が経過したころ俺は意を決してリンちゃんに近づいた
リンちゃんは目を閉じたまま立っている
まったく動かない
すり足で音を殺しリンちゃんに一歩づつ近づいた
ようやくリンちゃんに手が届く位置までくる
ほっぺを突っついてみる
「ほぁあ!プニプニっ!!」
ぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷに・・・
俺は疲れを知らない子供のように同じ行為を繰り返した
指が疲れてきた・・・
ほっぺはプニプニした、次は・・・
俺はリンちゃんの発達していない胸
いやまるっきり無いと言っていい胸に視線を移すと・・・
「いやあああああああっっはああああぁぁぁぁぁぁあ!!!!
きぃえぇぇぇぇえーーーーーーいぃっ!!!」
奇声を発しながら自分の指をリンちゃんの胸に向かって突撃させた
その瞬間・・
「きゃぁぁぁぁああああ!!!」
股間に重い衝撃を感じた
股間は次第に熱くなりやがて激痛に変わった
「っつ!!!っかはぁ!!」
俺は激しい痛みに耐えきれずリンちゃんの足元でうずくまり
辺りを転げまわった
呼吸ができない・・
近くにあったハンドタオルを口に突っ込み
それを思いっきり噛みしめながら必死で痛みに耐える
「ふうっ! ふうっ!・・・ はぁ~はぁ~」
どうやらリンちゃんに思いっきり股間を蹴り上げられたらしい
そして頭上から声がした
「あ、あのマスター?・・大丈夫?」
この痛み・・夢ではない・・
上から俺を見下ろすリンちゃん
俺はやっとの思いで立ちあがるとなんと言っていいかわからず
「い、いやぁ ふひぃ・」
と挨拶をした
「ごめんね、急に変な声が聞こえてきて目を覚ましたら
マスターがアタシの胸を触ろうとしてたように見えて・・」
なるほど、さっきの攻撃は勘違いだったのか・・
俺はなんとか落ち着きを取り戻し現状把握に努めた。
「いや、いいんだ。気にしないで・・
で、何でここにいるんだい?」
「?」
リンちゃんは何でそんなことを聞くのかと言わんばかりに首を傾げている
その仕草、カワユス
「何でって、マスターがアタシを買ったんでしょ?」
リンちゃんは大きな目でまっすぐこっちを見つめてくる
「いや、確かにそうだけど。リンちゃんというのはプログラムだから
普通はこんなふうにPCの外に出てこないだろ?」
「うーん、よく分からないけどあたしは特別製みたい」
「特別?」
「そう。詳しくわ分からないけど・・あ、そうだコレ」
そういうとリンちゃんは俺に一枚の紙を差し出した
「取説・・・」
薄っぺらい紙には一言、こう書かれていた
~あなたがピュアな心と体を持ち続ける限りリンちゃんはあなたとともにあるでしょう~
なんぞこれ・・
俺はこの言葉の持つ意味を必死で考えていた
なんだ、つまりその・・
この先もずっと男の子の貞操を守り続けてればいい的なことなのだろうか・・
よくわからん・・
「ねぇ、マスター、アタシ眠いよぉ、そこのお布団で寝ていい?」
リンちゃんは真剣に取説を読む俺の顔を覗き込んで言った
「えっ!あ、ああ、、」
もう1時を回っている、子供は寝てる時間だな
「いいよ。好きに使って。お、おやすみ」
「ありがとーマスター」
そういうとリンちゃんは俺の布団に滑り込んだ
「おやすみ、マスタァ」
布団からちょこんと顔を出しリンちゃんは言った
ふ、ふほぁ!カワユス!んあっ!
俺「おやすみ」
なんとか平静を取り繕い言った
空が白くなり始めた午前5時
リンちゃんは静かな寝息を立てている
これは奇跡なのだろうか・・きっとそうだ
リンちゃんの寝顔は、か わ い い
リンちゃんのためにカッコいい曲を作りたいと
心からそう思った
俺は寝れなかった、自分が寝てそして朝になったら
リンちゃんが消えているのではないかと・・
そんなことを考えているうちに朝になってしまった
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次の日、俺は昨日のゲーム屋に足を運んだ
俺はリンちゃんのマスターになったものの
どうやって曲を作ればいいのかわからない
電車の中、昨日の店長の様子を思い出していた
「あの店長・・ボカロについていろいろ知ってるみたいだった
あいつに聞けば俺がボカロPになる方法が分かるかもしれない・・
俺はボカロPになる!俺の横でかわいい寝息を立てて眠っていた・・
・・リンちゃんのためにも!」
まだ停車していないにもかかわらず
両隣に座っていた女性がそそくさと席を立った
いかん、思わず独り言を言っていたようだ・・
それほど俺の決意は固いということだ
第2話「眠れぬ夜、決意の朝」 完
コメント2
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もっと見る相変わらず人のいないゲーム屋・・
立て付けの悪い引き戸を開けると
店長は俺に気付いて「よう」と馴れ馴れしく挨拶してきた
「あ、どうも・・」
俺は軽く頭を下げた
店のカウンターまで近づくと店長はニヤニヤしながら言った
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「はい、とても・・かわいいです
今頃は家...リンちゃんと俺 第三話「店長の過去」
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大学生になったら、女の子とコンパしまくりぃぃ!
夏は海へ!冬はスキーへ!リア充生活を満喫するんだ!!
そんなふうに考えていた時期が俺にもありました('A`)
現実は部屋にこもってアニメとゲームの毎日・・
大学は週に一度行くくらい
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例のごとく昼...リンちゃんと俺 第一話「運命の出会い」
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「汝の神を試すなかれ」
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独り呟く 「ああ、次の人だ」
語る口は無く 歩く両足も無い
右のおてては 硬く、ゴムのようだ
薄暗い部屋で 重なる影に
(Wow Oh Wow Oh Oh Wow Oh Oh)
笑い出す 十数人の並ぶ影
(Wow Oh Wow Oh Oh Wow Oh Oh)
(Wow ...【重音テト】「口」
もちとん
手を繋ぎ 夕闇に目を閉じて 足を消し
遠ざかる秋の香りと二人
傍にある鏡には映らない そしてほら
ここには居ないんだってしった
ねぇ名前 名前を失くした
もう二度と呼ぶこともない
呼吸を止めて隣りあわせで
地獄の隅の思い出を漁る
ここから堕ちた星は幾千
傍らの送り火を ただ見つめてる...ハナユリトラオユエ
南ゆに
まどろみ落ちそう
見つからないな
少し諦めムード
確かにあったんだって
いつの間にかに消えていた
意味もなく出かけてみたけれど
いつもなら通り過ぎる路へ
迷い込んでしまえ
特に何もないけど
飛び出せフィロソフィー...【重音テト】 philosophy 【オリジナル】 歌詞
ぜん
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ご意見・ご感想
きろ
ご意見・ご感想
あああ、リンちゃん可愛すぎます!リンちゃんが寝るシーンには、思わずニヤッとしてしまいした!本気で主人公が羨ましいです(笑)
リンちゃん可愛いだけでなく、意味深な部分もあって、続きが気になりました^^
2011/08/18 00:42:56
sat(頑なP)
ご意見・ご感想
おまわりさんこっちです・・・な展開にドキドキしました
サスペンスも盛り込んでくるとは・・・ただ者ではない・・・!!
2011/08/17 22:30:30