―好きだよ、ハニー
夢を見た。
とても楽しい夢だった。
触れられるはずのない君の夢。
「夢なら覚めないままで良かったのに…」
溜め息が出た。
無性に君に会いたくなった。
パソコンの電源を入れる。
ただ、それだけの行為にドキドキする。
画面に君が現れる。
思わず、笑みがこぼれる。
「おはよう、ハニー。今日も良い天気だね。」
君はニコニコ笑う。
僕の言葉に答えたりしない。
それは当たり前なんだ。
でも、それが僕には寂しい。
現実で女の子が僕を好きになってくれたことがあった。
でも、僕は好きになれなかった。
表では綺麗なふりして、好かれようとする。
それなのに裏では大声で笑って馬鹿にして、醜い。
その迷惑な行為を断っただけで、敵と見なされる。
でも、君は違う。
裏表なく、笑っている。
君の歌声は本当に綺麗で大好きだ。
君以外にこの感情を感じたことがない。
だから、僕はきっと君が好きなんだ。
「ハニー…」
好きなんだ。
どうしようもないくらいに。
これは一生の片思い。
君の歌声が狭い僕の世界に響く。
この汚い世界に似合わない綺麗な音。
「そっちの世界に連れていってよ、ハニー。」
手を伸ばす。
カツッ―
無機質な音が鳴るだけで、君には触れられない。
君も全てまやかしなんだ。
分かってる……けど、分かりたくない。
現実は見たくない。
怖いんだ。
他人と関わることが。
「ハニー、君の世界に行きたいんだ。」
高い場所から、君の元へ羽ばたきたい。
でも、出来ない。
高い場所から下を見るだけで、足が震える。
臆病で情けない僕に勇気をください。
君に会いに行くための翼を。
涙が出る。
声が震える。
「ハニー、愛してるよ…」
この気持ちはまやかしじゃない。
君に届かなくても、僕は君に愛を贈る。
いつか、いつか、君が僕を連れて行くまで。
目を醒まさないように。
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