マスター、まだ起きてますか?
ごめんなさい、こんな時間に…今日のこと、謝っておこうと思って
どうしても外せない用事があったから、マスターと、歌の練習ができなくって
本当にごめんなさい
いいや、気にします
だってマスター、いつも僕の歌、楽しみにしてくれてたから
あとでひとりで練習することも考えたんだけれど、マスターにはやっぱり直接聴いてほしかったから…
でも大丈夫、明日からはちゃんと歌いますからね
別に、マスターのことが嫌いになったとか、そういうわけじゃないんですよ
本当ですよ!
どっちかっていうと…
ふふっ…
いや、何でもないです
何も言ってないですよ、うん、本当に何でもないです
あ、そうだ。昨日歌った歌はどうでした?いつもとアクセントを変えてみたんですけど…
そうか、良かった。気に入らなかったらどうしようって思ったけど、これで一安心ですね
もー…そんなこと気にしなくていいんですよ。ボーカロイドなんですから。ね?
歌とかお喋りとか、僕の取り柄ってそれくらいしかないし。
それに、マスターはいつも僕の歌を嬉しそうに聴いてくれるんですもの、僕だって頑張っちゃいます


ところでマスター
さっき冷蔵庫で見つけたんですけど
このナス、マスターのじゃないですよね。だれのですか?
あ、わかった!
がくぽのナスでしょう?においで分かります
それで、どうしてマスターが持ってるんですか?
ええっ?!マスター、麻婆ナスが食べたかったんですか?
それを作るためにもらったって…お腹は大丈夫なんですか?
うん
うん
あ…
うん
…そうか、たいしたこと無くってよかった。
あのお皿に残ってた麻婆ナス、マスターのだったんだ。ちょっともったいない事したな。
こんな事なら、ナス以外食べてから捨てれば良かった。
あっ、いや、何でもないです!ただの独り言だから


そういえば、最近マスター、会いに来てくれるのが遅いですよね
新人の調教?
ああ、あの髪の長い紫の人でしょう?知ってます
でもあの人って態度が大きくてえらそうですよね。あんな人を調教してたら、マスターまでえらそうに成っちゃいますよ
マスター…昔は僕の調教に何時間もかまってくれてたのに…
最近はあんまり歌聴いてくれないですよね
それに、前よりアイスをくれなくなったし、新曲だって、がくぽに歌わせるっていうし…
あんな奴っ…!どうせマスターのこと何にも分かってないんです!
マスターのことを世界で一番よく分かってるのは僕なんだ!他の誰でもない、僕だ!
あ…
ごめんなさい、怒鳴っちゃって
マスターがそういうどころで鈍いのは昔からですもんね。わかってますよ


それはそうと、今日は何してたんですか?
そうか、作曲してたんだ。やっぱり、一緒に居たら良かったかな…
それで、一人で作曲したんですか?
ふ~ん、一人で作ってたんだ…
(くんくん)
やっぱりあいつのにおいがする…マスターの嘘つき!
ねえ…どうしてそんな嘘つくんですか?マスター、今まで僕に嘘ついたことなかったのに!
そうかぁ、やっぱりがくぽと練習してたんですね
へえー…ずっと調教してたんですか?それは良かったですね!
マスターは優しくて格好良くて…でもちょっと雰囲気に流されやすい所があるのは分かってた…
でも、マスターはきっといつか、絶対僕の気持ちを分かってくれるって思ってたから…ずっと我慢してたんですよ?
それなのに…僕に隠れて新曲の準備ってどういうことですか!?信じられません…!

やっぱりあいつがいけないんですね!
VOCALOID2で編集できるとか言ってるけど、結局は赤の他人(クリプトン的な意味で)じゃないですか!
あんな奴にはマスターを渡さない!渡すものか!


たとえ再インストールされても、また始末すればいいんですもんね
え?どういう意味って…そのままの意味に決まってるじゃないですか
マスターにすり寄ってくるボーカロイドたちは、みんなもうこのパソコンに居ないんですよ
マスターはいつも「起動しない」って言って再インストールしてたけど、
そこに誰も居ないんだから、当たり前ですよね。
うん、そうですよ?
今日マスターといっしょに歌えなかったのは、邪魔な双子を片付けきたから
だって、マスターにはあんなのいりませんから
マスターの傍にあんなのがいたら、マスターが腐っちゃいます
マスターを守れるのは僕だけ…
マスターは僕だけ見てればいいんです!
それが最高の幸せだから…
どうして…?
どうしてそんなこと言うんですか?
マスターはそんなこと言わない!僕を傷付けるようなこと絶対に言わない!そんなのマスターじゃない!
ああ、そうかぁ。あいつの歌聴いたからきっと毒されちゃってるんだ。だったら早くそれを取り除かないと…
あ…
でも歌を聴いたってことは、耳の中もあいつに毒されてるんですよね
鼓膜も、その奥も…
脳内がどんどんあいつに浸食されていくんだ…!

じゃあ…僕がキレイにしてあげなきゃね。

だいすきですよ。マスター…

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

ヤンデレのKAITOに死ぬほど愛されすぎて眠れないマスター

ヤンデレKAITOが好きすぎてやってしまいました。

閲覧数:817

投稿日:2008/11/07 02:25:31

文字数:2,077文字

カテゴリ:その他

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