夜が明けた 軍旗に火をともせ!
これは「聖戦」 戦にあらず
心ひとつに目指す、丘の上の白馬の男よ
これは「聖戦」 殺戮にあらず
我等の支配は全てを覆さん
神は我等を許された 敵を包囲せよ!!
なんと難しき事を言う 進め!
「聖戦」にあらず ただの虐殺
嗚呼、愚かしい 丘に迫る黒馬の男よ
これは戦 「聖戦」にあらず
神は全てをご存知だ 敵を迎え撃て!!
「我等が世界を変えるのだ」
その考えが愚かなのだと。
「世界を変えるのは神のみだ」
所詮、ただの戯言と。
これは「聖戦」 戦にあらず
「聖戦」にあらず これは殺戮!
追い詰められた黒馬の男
兵はすでに逃げ仰せ 大事な王は虫の息
王を庇い 銀に光る剣をとる
近付く足音 刹那、斬りかかり。
―赤い赤い が剣を伝い、地に落ちる―
これは「聖戦」 戦にあらず
我等、気高き鷲を抱く王の民
―――世界を変えるのは神にあらず
無慈悲な殺戮 消え失せた「聖戦」
足元に朽ちる冷たい器
―――世界を変えるのは神だけぞ
これが神を語る男の末路(さいご)
神の望む 終末の「聖戦」
「かみになるのはおれじゃない、だいじなおうだ」
「かみにはなれない。おまえたちはにんげんじゃないか!」
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