冴える瞼に　脈の速さに
気が沈んだ心地さえも忘れましょう
孤独を青くなぞる画面に
映る文字が
似せ物の文字のままでも
そう　目を閉じましょう

始まりの声に呼ばれて
温められて　思い出すの
この現実の世界で息をしたことを
始まりの前に吊られた
わずかな絶望を
溢れた深淵を
求めるように
消えていけたらそれでいいのだ

そこそこ興味はあって
時間もあるから
くだらない執着よりは
…と期待していた

とうに枯れた花の
落ちた培養土の残りを汲んで
儚さも　美しさも
ただ使い道があるのならと
そう思いたいだけ

間違ったことも多少は
認めてきたが
まだ転んだ痕が
消えないんだ
目を閉じましょう

始まりの声に呼ばれて
歩いてみたの
少しずつで
少しずつで　それでいいなら
始まりの前に吊られた
わずかな希望も
溢れた黎明も
いらないでしょう
まだ終わらない虚構の中を