うすべに:唄なし
「うすべに」
あえかに景色に融ける
命は紅く燃えゆく
ここから見下ろす街に
嘆くように桜雨は哭く
黒き怨恨を清めの薄紅に染め
瞳に映る彩は心地よい眩暈を呼ぶ
指の隙間から零れる月の沙
それは儚くて水魚の交わりを梦に観て
鳴呼
あなたが居ないのなら
未練など無いのですから
鳴呼
意識が閉じてしまうその前に
婉然としたその指で触れて
愁しみは 唯 唯 静かに美しくて
空蝉は葬送 静かな風が撫でる
追憶は 唯 唯 静かに優しくて
空蝉に葬送 静かに幕を下ろす
願わくば 唯 唯 あなたのいる苑へ
約束を 手にして 深遠な黄泉の眠りへ
私達が生きた此の闇に
鬼ヶ丘の上に咲いた
花が舞う
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