太陽が東から ゆっくり顔を覗かせ
静かな湊の船辺に 君の姿は見えなくて
でも遠く向こうに 君を感じているよ

湊を出る船は 帆を膨らませている
離れ行く故郷に 束の間の 別れの手を振りあげた

風は船を助け 次第に船足は強く 
波を駆け上り また下る
海に落ちた音は 風が引き揚げ 旅を進めた

行かん 見知らぬ異国へ*



灰色の景色は 幾日も続いている

星々の道標を 隠し続け 渦巻く天は
その影を強め ついに綻びをみせた

雨脚は矢の様に 風は刃のごとくに
稲妻は横に広がり その咆哮を木霊させた

全ての色は闇に落ち
音は風に呑まれ
波は 無数の手の形で 船を覆い 
深淵へと飲み降そうとしていた

嗚呼、運命は尽きたか



絶望の広がり 暗黒の景色の中
海面に立ち 指し示した君の姿が浮かんだ

感じたのだ
君の祈りは 常に傍にある事を 

求めよ 君の愛を
探せよ その祈りの路

その時 一筋の光が遠くに射し込む
遂に 暗闇の雲は 落ちた葉の様に散っていく

そして 見た 金色の影*
あれは 香料の都







■■■
読み:
船辺(フナベ)
木霊(コダマ)
道標(ミチシルベ)

海面(ウナモ)
路(ミチ)
黄金(コンジキ)

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

海原は祈りとありて

不採用になった詞。
かなり気合を入れて書いて、しかも超自信持ってたから、落選は超弩級の衝撃だった。でも作曲者の方が、査定表を作ってくれて、全員の感想とか落選の理由とかを書いてくれたので、なんか納得できたんですよね。なんか、作曲者のイメージとは違うけど、詞の内容そのものは悪くない、みたいな事も書かれていて、それがかなり嬉しかった。それは今に繋がっていると思う。

当時は、何で落選したのかわからないままに投稿し続けて、でもとてもしんどくて、この作品が30作目くらいだと思うけど、自分より後に来た人が次々と採用されている絶望感がね、もの凄かったです 笑。だからターニングポイントにはなったかも。


メロディ聞き用の物静かなオケのバージョンも用意してくれていたので、何故か知らないけど、そっち用の歌詞も作ったり・・・。それが次に投稿している歌詞となります。
・・・まぁ、はまり込んでた。多分、この2つの作品が今まで一番時間をかけた作品。そういえば、当時は一作品を作るのに1、2週間とか普通だった。詞というより、小説を作る感じでやってたな・・・。
2012/11


閲覧数:229

投稿日:2011/07/05 06:19:40

文字数:530文字

カテゴリ:歌詞

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