①
太陽が東から ゆっくり顔を覗かせ
静かな湊の船辺に 君の姿は見えなくて
でも遠く向こうに 君を感じているよ
湊を出る船は 帆を膨らませている
離れ行く故郷に 束の間の 別れの手を振りあげた
風は船を助け 次第に船足は強く
波を駆け上り また下る
海に落ちた音は 風が引き揚げ 旅を進めた
行かん 見知らぬ異国へ*
②
灰色の景色は 幾日も続いている
星々の道標を 隠し続け 渦巻く天は
その影を強め ついに綻びをみせた
雨脚は矢の様に 風は刃のごとくに
稲妻は横に広がり その咆哮を木霊させた
全ての色は闇に落ち
音は風に呑まれ
波は 無数の手の形で 船を覆い
深淵へと飲み降そうとしていた
嗚呼、運命は尽きたか
③
絶望の広がり 暗黒の景色の中
海面に立ち 指し示した君の姿が浮かんだ
感じたのだ
君の祈りは 常に傍にある事を
求めよ 君の愛を
探せよ その祈りの路
その時 一筋の光が遠くに射し込む
遂に 暗闇の雲は 落ちた葉の様に散っていく
そして 見た 金色の影*
あれは 香料の都
■■■
読み:
船辺(フナベ)
木霊(コダマ)
道標(ミチシルベ)
海面(ウナモ)
路(ミチ)
黄金(コンジキ)
海原は祈りとありて
不採用になった詞。
かなり気合を入れて書いて、しかも超自信持ってたから、落選は超弩級の衝撃だった。でも作曲者の方が、査定表を作ってくれて、全員の感想とか落選の理由とかを書いてくれたので、なんか納得できたんですよね。なんか、作曲者のイメージとは違うけど、詞の内容そのものは悪くない、みたいな事も書かれていて、それがかなり嬉しかった。それは今に繋がっていると思う。
当時は、何で落選したのかわからないままに投稿し続けて、でもとてもしんどくて、この作品が30作目くらいだと思うけど、自分より後に来た人が次々と採用されている絶望感がね、もの凄かったです 笑。だからターニングポイントにはなったかも。
メロディ聞き用の物静かなオケのバージョンも用意してくれていたので、何故か知らないけど、そっち用の歌詞も作ったり・・・。それが次に投稿している歌詞となります。
・・・まぁ、はまり込んでた。多分、この2つの作品が今まで一番時間をかけた作品。そういえば、当時は一作品を作るのに1、2週間とか普通だった。詞というより、小説を作る感じでやってたな・・・。
2012/11
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