――いつか僕をやめるときまで、あと何度「好き」と言えるのだろう?
《日曜日》
「あっ、いた。〇〇君、待った?」
「いや、今来たとこ。それじゃ、行こうか。」
「うん!行こう。」
「…なぁ、手繋がないか。」
「えっと、…いいよ。」
――高鳴る鼓動が伝えてく。重なる音と流れる想いを。もう離さないと約束しよう。いつでも君が寂しくないように。
《水族館へ》
「ねぇ、ペンギンどこにいるの?早く見に行こうよ。」
「はいはい。ペンギンはこっちだよ。」
「ほら、早く!」
「俺、走れないんだって。これでも急いでるんだっつーの。」
「あ、そうだったんだね。ゴメンね。」
「いいって。まぁ、なるべく速く歩くよ。」
《ペンギンコーナーへ》
「見て見て、ペンギンが歩いてる。スッゴくカワイイ。欲しいな~。」
「ちょっと落ち着けって。本物は無理だけど、ペンギンのぬいぐるみなら買ってやってもいいよ。」
「ホント?1番大きいのがいいな!」
「わかったよ。1番大きいのな。」
「えっ!?ホントにいいの?お金大丈夫?」
「自分で言ったんだろ。てか、そんな心配すんなよ。ちゃんと買ってやるっつーの。」
「…じゃあ、お願いね。」
「あぁ、任せとけって。イルカ見たら、買いに行こうか。」
「そうだね。あ、シャチがいる。カッコいいね。」
「ホントだな。」
――僕と君が出会えたことになにか理由があるとするならば、運命かはわからなくても、嬉しいことに変わりはないよね。
《売店へ》
「〇〇君、この子にする。いいかな?」
「あぁ、わかった。…これ、会計お願いします。………ほら、やるよ。」
「ありがとう。〇〇君、大好き!」
「っ///あ、あぁ、どういたしまして。じゃあ、帰ろうか。」
「うん。」
《帰り道》
「今日は楽しかったね。ペンギンありがと。大事にするね。」
「ん。」
「ねぇ、ちょっと公園で休んでいかない?…足大丈夫?」
「足?……あぁ大丈夫。でも、一応休んでこうか。」
「うん。」
《ドンッ》
「わっ!痛っ!」
「大丈夫か?…おい。人にぶつかっておいて、無視かよ。」
「いいよ、怪我してないから。……あ!バックなくなってる!!」
「さっきぶつかってきたやつか?」
「う、うん。たぶん。でも、あんなに遠くに行っちゃったよ。」
「大丈夫。俺が追いかけるから。」
「駄目だよ。足怪我してるんでしょ。」
「…ちょっとくらい大丈夫だから。」
「でも…」
俺は彼女の声を聞かず走り出した。
「っ、遠いな。」
でも、弱気になっちゃいけない。
少し加速した。
(追い付いた!)
男の腕を掴んだ。
男は慌てたように腕を振った。
「そのバック返せよ!」
「わっ、分かったよ!」
男はバックを置いて逃げ出した。
「〇〇君!大丈夫なの!?」
彼女の声が聞こえる。
「あぁ、大丈…うっ!!」
「!〇〇君!?」
「はぁ、はぁ、くそっ…。」
薬はどこだ、ポケットの中だったっけ…。なかなか見つからない。……あった。急いで飲む。…………少し楽になった。
「〇〇君、大丈夫なの?」
「ん、大丈夫…。」
「……なにか、病気なの?すごく顔色悪いよ。それに、さっきの薬…。」
「…実は、」
俺は自分の病気のことをすべて彼女に話した。彼女は黙って聞いてくれた。
「だから、俺は明日死ぬかもしれないような体なんだ。……もし嫌だったら別れても、」
「何言ってるの。別れる訳、ないじゃない。私は〇〇君のこと、好きだよ。」
「□□…。」
「だから、少ない時間かもしれないけど、一緒に過ごしたい。」
「……ありがとう。俺も□□と一緒に過ごしていきたい。…いいか?」
「当たり前だよっ。」
俺は□□を抱きしめ、キスをした。
少ない時間かもしれないけど、この心拍が止まるまで愛し続けよう。
~end~
コメント1
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ご意見・ご感想
禀菟
ご意見・ご感想
888888
完結おめっとw
あれ、完結だよね?
やっぱり名前考えよーぜww
雰囲気台無しだぞww
2011/04/03 19:10:52