僕は過去の少年と手を繋いで美化道を歩く。
でも他の奴らの相手は毎日変わる。
そんな人生が楽しいかい?
僕の人生が正しいよ。
だってだって僕はずっと一途なんだ。
偉いでしょ?
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「別れよう?」
彼女との帰り道、いきなりそう言われた。
「どうして?」
「だって、私のこと好きじゃないでしょ。」
「そんなこと…、」
ない、と言い切ることが出来なかった。自分でもわかっていたんだ。
「ほら、やっぱり。」
彼女は悲しそうに微笑んだ。
「……………。」
僕は何も言えなかった。
「いつからか貴方は、全てを諦めてたよね。」
「ごめん…。」
「謝ったりしないで…さよなら。」
僕は去っていく彼女を見送るしかなかった。
彼女の言っていたように、達成感を忘れていたし、恋愛感情もなくなっていた。
頼りなのはもう過去の僕だけだ。
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家に帰り、自分の部屋へ真っ直ぐ進む。
部屋へ入り、机の引き出しからナイフを取り出す。
それを自分の左の手首に這わせる。
左の手首から血が溢れる。
まるで赤い赤い唄を唄っているようだ。
心の涙が雫になって、落ちていくのはこの星。
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こんな人生寂しいです。
満足なんてしてませんよ。
でもでも今までの僕に納得はしてるよ。
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僕の父親は完璧主義者だった。
昔、いや、今も一番しか求めていなかった。
それを息子の僕にも押し付けていた。
最初はそれでも良かった。
褒められるなら何でも良かった。
でもだんだんと苦しくなってきた。
僕の音楽が理解されなくて、一度だけ歯向かったことがあった。
その時に父親が激怒して殴ってきたりした。
それからは父親の言うことに従っていった。
自分を変えようとしなかった。
でも今は周りが変わっていくから自分だけが変わっているみたいで嫌になる。
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あれからこの世界が大嫌いになった。
自傷行為を始めたのもその時からだ。
赤い赤い唄を唄っているようで気分が良くなる。
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学校から帰ってきたら、母親が僕を呼んだ。
久々に声をかけられた気がした。
「ねぇ…これは何?」
母親が手にしていた物はあのナイフだった。
…あぁそうだった。片付けるの忘れてた。昨日そのまま寝ちゃったんだっけ。
僕はそう思っていたが、説明するのも面倒なので黙っていた。
「黙ってるだけじゃわからないわよ。」
「わからなくていい。僕のことを理解してもらいたいなんて思ってないから。」
母親は悪くない。わかってる…だけど、
「そんな言い方、」
「うるさい…関係無いって言ってるだろ!!黙れよ!!」
自分で言った本当の言葉が鋭くなって突き刺さる。
母親は泣きそうな顔で僕を見ている。
もうこの場から逃げたくて、母親からナイフを奪い左の手首に這わせる。
赤い赤い唄を叫ぶ。
母親が何かを言っている。
でも、もういいんだ。
本当の自分を自分で絶って堕ちていく。
――ひとりぼっち
コメント2
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ご意見・ご感想
禀菟
ご意見・ご感想
思春期っ!!
綺麗な描写だ( ´∀`)/
謝る必要はない。
やっぱ読んだヤツって反映するよねww
2011/04/29 18:54:44
魔熊
ご意見・ご感想
私もこの曲好き(*^^*)
切ないよ…結末に(T-T)
文才良いな(*^^*)
オリジナルも期待しているね(^-^)b
2011/04/29 18:38:26