観察報告 №9



眼前を 私 が横切ったときに
予感すべきだったのか
途切れた記憶を巻き戻して

直下に窪んだ壁
一人ぼっちの電灯が瞬く
真っ青な蟻が腕を這う

アスファルトに広がる罅(ひび)
日々狭まる視界
あなたはまだそこに居続けるの

崩れて、崩れていく 足元
何かが変わる期待は
とうに泡を上げて溶けた
もうここにはいられない
(I can't be any longer here. )


試験管の中 螺旋を昇って
光沢のない段差は延々と続く

澄んだ馬の眼球
映り込んだ景色は粉々に散って
欠けた破片が膝に刺さる

溶けて、溶けていく 日常
重力を無視するには
投げ捨てしまった無邪気さが惜しい
あなたには見えるだろうか
(Could you see it?)


日に焼けた幾枚の写真を
バラバラに引き裂いて黄昏の紅に落とす
燃え尽きることのない欠片を
(わたしの)手のひらから
(あなたの)指の先から
舞い上がる紙吹雪を
 私 は見つめる


歪んで、歪んでいく あなた
燃えて、燃えていく わたし

取り残されたのは 耳鳴りだけ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

観察報告 №9

わたしとあなたと私
9は一番好きな数字
使いづらい等ありましたらお気軽にどうぞ 変更応相談

※名義が異なります

閲覧数:97

投稿日:2010/01/31 00:26:44

文字数:476文字

カテゴリ:歌詞

クリップボードにコピーしました